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5 「…っ…んっ…///はぁっ…はっ…」 「ちょっとやりすぎたかなー…?おさえたつもりだったんだけど。」 苦しくて息が荒い俺に、大丈夫?ごめんね?なんていってる惺さん。 キスの時は鼻でうまく息するってことも教えてくれた。 「あの、なんで、こんな…?///」 「足りないんでしょ?だから…進んでみたんだけど」 「あ…そっか…」 そーゆうことだったのか…なんて今頃気付いても、遅かった。 でも、息は苦しかったけど、気持ちかった。恥ずかしくていえないが。 たぶん、見透かされてるんだろうな…とは思う。でもいえない。 「昊…うまくならなくちゃね。ディープ。ルイで言うベロチュー。」 「えっと…///」 「実践してあげるからさ?」 「遠慮…したいです…」 あんなの会うたびにされてたら、思考がおかしくなると思う。 「気持ちよさそーだったのに?」 「う…」 予想通りやっぱり見透かされてた。ホントの事なので反論できない。 「ちょっとふれるだけじゃ足りないんだもんね」 「そ…みたい…です…ルイ先輩に、よれば。」 「ねだったときの顔がかわいかったよ?」 「!?///」 はずかしすぎる…!! なんか、今日はちょっぴり、惺さん意地悪だ。 でもたまにはそんなのも、良いのかもしれないなんて、思った。 いつもと違う姿をみるのは嫌じゃない。 惺さんの、いろんな面を知っていくのはむしろ好き。 ただ、今後のことはちょっと思いやられるけれど。 「惺さん…キス…はほどほどに、お願いします…///」 あまり意味はないだろうけど、一応そう言っておいた。 はい、終了。読んでくれてたら、ホントありがとうございます…! 最後はイチャ甘だよ。ははっ!サト昊大好きです…もう萌え。 ほどほどになんてしてくれないと、思う。惺さん。 もうバンバンやってくださるかと。そして押し倒s(強制終了 なんで惺さんあった瞬間キスしたかというと。 ルイが「昊がきたらとにかくいつものキスしろ!きっと良いことおきるから!」とでもいったのだと思います。 キスするの嫌じゃないってかむしろ好きだし、それくらいいっか。ってことで、したんだと そしたらおねだりきたんで半分理性飛び気味にディープしたと 押さえたらしいですけどね!ビバ大学生!理性けっこう強いですよ!
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【作品名】機械どもの荒野 【ジャンル】小説 【先鋒】スナーク 【次鋒】ギガース 【中堅】大型ジープwithタケル,カーシャ,鴉 【副将】ワイヴァーン 【大将】ユニコーン 【名前】スナーク 【属性】機械 【大きさ】灰色の箱にキャタピラを付けたような大型ジープ並みの大きさ 【攻撃力】【防御力】【素早さ】大きさ相応の車並み 【名前】ギガース 【属性】機械 【大きさ】10m以上はあるクレーン車のような形状 【攻撃力】【防御力】【素早さ】大きさ相応のクレーン車並み 【名前】大型ジープ 【属性】大型ジープ 【大きさ】 【攻撃力】 【防御力】 【素早さ】大型ジープ並み 【備考】タケル:鍛えた成人男性、12,7mm機関銃(最低でも1000発以上撃てる)の発射担当 カーシャ:鍛えた成人女性、バズーカ砲(最低でも5発は残弾がある)の発射担当 鴉:成人男性、運転担当 【名前】ワイヴァーン 【属性】飛行戦闘機械 【大きさ】推定十~十数m前後の大きさの機械。 翼を下げた鳥やエイのような形の数m程の胴、 尾にあたる部分は胴の三倍近い長さの板状になっている。 【攻撃力】 炎の矢:光(ビーム?)を発射、着弾すると爆発と火柱があがる。 鉄筋コンクリ壁を砕き、高層ビルを二発で倒壊寸前に、 老朽化ぎみの高層ビルなら一発で倒壊させる。 射程数百m、速度は数十mを一瞬程度。 数百m先に放った直後に急ハンドルを切られると 全速力で逃げる近未来のジープにギリギリ避けられた。 【防御力】大きさ相応の戦闘機械並。 12,7m機関銃を数百発ぐらい撃ち込まれて撃墜された。 【素早さ】全速力で逃げる近未来の大型ジープに余裕で追い付く程度の速度で飛行可能。 反応は常人並み。 【長所】飛行している。 【短所】飛行しているのに回避が異様に低い。大勢集まってこそ力を発揮する。 【備考】機械知性体が操作していて、人が操縦するようにできていない。 水素燃料で動いている。 【名前】ユニコーン 【属性】戦車、 戦闘機械 【大きさ】全長十メートル前後、幅五メートル近く?の戦車 【攻撃力】キャノン砲:ユニコーンのような一本の、高初速で弾丸を放つ長砲身のキャノン砲。 砲塔を旋回させて前後に射撃可能。威力や射程は戦車砲並み 数キロ先を走る車両に当てた。 【防御力】機関銃は効かない。バズーカも効果無し。 バズーカで倒すなら三十メートル以内に近づいて、装甲の薄そうな所を狙って 運がよければ倒せるかもしれない、らしい。 【素早さ】近未来の大型ジープより弱冠遅く、並走しているとじわじわ抜かれる。 反応は常人並 【特殊能力】核燃料エンジンで動いているので航続距離十二万キロ以上を持つ。 レーダー:暗闇でも周囲を把握できる。 【長所】無人戦車であること。 【短所】車体に張り付かれると何もできない。大勢集まってこそ力を発揮する。 【戦法】距離を取りながらキャノン砲。 【備考】機械知性体が操作している。 人が操縦するようにできていない、なので内部空間はほとんど無い。 (メンテ用の数メートルの空間はある) 参戦 vol.81 120-121 vol.100 185 :機械どもの考察:2011/04/07(木) 11 08 45.69 ID fU4M7Jlv 機械どもの荒野考察 戦車周辺か ○○バトルフィールド1942、サドンストライク 【先鋒】戦車負け 【次鋒】戦車負け 【中堅】腕前の差で勝ち 【副将】機動力差勝ち 【大将】キャノン砲勝ち ×RAMPART 【先鋒】弾負け 【次鋒】弾負け 【中堅】耐えられ弾負け 【副将・大将】まあ勝ち こっから上は中堅が勝てるとは思えないなぁ >RAMPART>機械どもの荒野>サドンストライク vol.113 326 :格無しさん:2014/02/15(土) 21 32 32.92 ID hPplIKNH World of Tanks 考察 戦車×5なので戦車の壁から ○○サドンストライク、バトルフィールド1942 【先鋒】~【大将】性能差勝ち 機械どもの荒野:あちらの考察では下二作品との中堅戦で戦車(軍人)に腕前勝ちとなっているが ルールでは軍人>…>鍛えた人間なので、反応負けていると思う ジープは戦車砲喰らえばまず即死だと思うので、中堅が負けて サドンストライク、バトルフィールド1942に負け その下のUSAVICHには、先鋒次鋒副将で勝てるので位置はその上か World of Tanks 考察続き ×3LDK要塞山崎家 【先鋒】【次鋒】戦車勝ち 【中堅】調べたらLoweは1940年代初期の物らしい。性能負けか 【副将】ミサイル負け 【大将】特殊電子破壊銃負け これから上はサドンストライク、バトルフィールド1942の結果と同じだろう 3LDK要塞山崎家>World of Tanks>サドンストライク>(戦車の壁)>機械どもの荒野>USAVICH 327 :格無しさん:2014/02/15(土) 21 35 29.28 ID hPplIKNH 作品抜け。正しくは 3LDK要塞山崎家>World of Tanks>サドンストライク>バトルフィールド1942 >(戦車の壁)>機械どもの荒野>USAVICH
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『おさはゆっくりできない』 88KB 観察 差別・格差 群れ 自然界 人間なし ご覧の通り長いです。時間の空いたときにでも。 初めましての方は初めまして 他作を見てくださった方はありがとうございます。 投稿者の九郎です。 どうぞよろしく。 ――――第一章 おさになんて―――― 「ぱちゅりー!きょうからおとなりさんだね!」 「そうね、ゆっくりしていってちょうだい」 「ゆっくりしていくんだぜ!」 ぱちゅりーとれいむまりさ夫妻が挨拶を交わす。 引っ越し祝いや挨拶がてらの菓子折りといった物のやり取りはないが ゆっくり同士ではわりと交流が盛んなものだ。 たとえそれが、相手を奴隷扱いするゲスの所業であったとしても 他の個体と関わりを持とうとしないゆっくりはそう次々とはいない。 最近、ぱちゅりーの棲家の近辺に集まり始めたゆっくり達も例に違わず それぞれが顔を合わせては『ゆっくりしていってね』を連発していた。 「むっきゅん、かりばのみなおしがひつようかもしれないわね」 人間の都市開発が市街地、商業区、工業地帯と大別されていくように ゆっくりの場合も住居や狩場などが大雑把に分かたれてゆく。 そして、その土地が優良な土地であればあるほどゆっくりが集まり 自然と『群れ』というものが形成されるのだ。 「でもこまったわ、どうしよう……」 自宅で悩むのは、一番最初にこの土地に住み始めたぱちゅりーだった。 身体の弱い自分でも住みやすい土地だと目をつけたはいいが 増え続ける居住者に、狩りが難しくなり始めている。 いや、それはいい、まだいい。 それより問題なのは、群れが形成される場合にどうしても必要になるものがある。 そこまで考えて、頭の中で過去の映像が再生される。 「おさはゆっくりできないわあああぁぁぁぁぁぁ!!!!」 ついうっかり、外にも聞こえる大声で叫んでしまうぱちゅりー。 かつて自分が所属していた群れの記憶。 『もりのけんじゃ』を名乗り、前任者から長を引き継いだぱちゅりー一派と 『さいきょう』を謳う群れ一番の乱暴者のまりさ一派。 その二大巨頭による舌戦、人気取り、脅迫、冷戦、賄賂、不正、そして最終戦争。 あれは地獄だった。 長の座をかけ戦い続けるぱちゅりーとまりさ。 それに伴って甘い汁を吸おうとした幹部を名乗る腰巾着達。 戦いに振り回され利用され続ける群れのゆっくり。 誰も、ゆっくりしていなかった。 何がゆっくりしていて、何がゆっくりしていないのか 自分には最後まで分からなかった。今でも分からない。 あの地獄から生き残った自分だからこそぱちゅりーは断言できる。 『おさはゆっくりできない』。 「だめよ……これは……はやくなんとかしないと……!!」 一番最初にこの土地に住み始めた自分。 後から住み始めたゆっくり達に、生活に必要な知識を披露していった。 そりゃあ、最初はいい気になったものだ。 物事を教え、皆が感心し、感謝してくれる。 ゆっくり出来たかもしれない。 だからこそ――――ぱちゅりーを長として群れを作ろうという話が出た。 待ってくれ、冗談じゃない。 それとこれとは話が違う。 むっきょおおおおおおおとその場で叫んでしまったがそういう場合じゃない。 気付けば、群れのほとんどのゆっくりがぱちゅりーを長に、と思い始めていた。 ぱちゅりーが群れだの長だのそういった話をしようとしないから その当事者がいないところで噂が一人歩きしていることに気付けなかった。 「ぱちゅりー!ぱちゅりー!いるんだぜ!?」 「む、むきゅ!?」 まともな挨拶もなしにぱちゅりーの家にずかずかとあがりこんできたのは一匹のまりさだった。 それに続いていかにもガラの悪そうなちぇんとありすが入ってくる。 「どういうことなのぜ!?ぱちゅりーのいったところにきのこさんなんてなかったのぜ!」 「ちぇんたちがわざわざみんなのためにかりにいったのにむだになったよー!」 「む、むきゅ!?それはまr」 「まったくいなかものね!それにあのひっこしてきたまりさたちはなんなの!? ありすのとかいはな『がーでにんぐ』のじゃまをするし! こーでぃねいともできないいなかものがおにわをもっていてもしょうがないでしょ!?」 「まったくだぜ!なにが『おちびちゃんのあそびばがひつようなんだよ~』なんだぜ! ちょっとたいあたりしただけでなきをいれるゆっくりなんかおうちだっていらないんだぜ!」 「そういうことだよー!おさになろうなんていってるけど ぱちゅりーにおさなんかつとまらないんだよー!わかってねー!」 「そ、それとこれとは……」 「まったくいなかものね!きょうはきぶんがわるいからはやくかえるわ!」 「じかんをむだにしだんだぜ!はやくかえってゆっくりするんだぜ!」 こちらの応答を一切聞かず、出て行く三匹。 まりさが長の座を狙うためにぱちゅりーを貶めに来たのは明白だ。 あのまりさが長になったらどうなるか?考えたくもない。 どうせ長とその幹部、またはそれに類する協力者のみ優遇され 一般のゆっくりが虐げられる最悪の掟が乱立することだろう。 そもそも、ぱちゅりーは長になる気などないのだが 良識あるゆっくりはあのまりさを長にしないために ますますぱちゅりーを長に、と推すことだろう。 長になるための根回しすらぱちゅりーが長になる追い風になっているとは 皮肉を通り越して哀れですらある。ぱちゅりーが。 「どぼじだらいいのおおおおおおおおお!!!???」 ―――――――――――――――― ぱちゅりーは悩んだ。 三日三晩、ろくに眠ることが出来なかった。 「どぼじでごうなっだ……どぼじでごうなっだ……」 もう長になっちまえよ、という意見が頭を掠めたがそれだけは駄目だ。 掟の制定、税の徴収、問題への対処、そして権力転覆を狙うまりさとの知略戦。 そんな問題と向き合い続ければ苦労を積み重ね、数日で禿げる。 そしてまりさ達乱暴者にゆっくり出来ないもの呼ばわりされる。 まりさが目先のゆっくりに囚われた掟の制定を挙げ始め、信任はがた落ちになり まりさ派が多くなってきたところで長の座を引きずり下ろされるのだ。 最後にはわずかに残った賛同者を盾にぱちゅりーが奴隷にされる。 うんうんを食べさせられ、立て続けにすっきりを強要されるのだ。エロ同人みたいに! 「むきょわあああああああああ!!!!」 束ねられた二本の髪で頭を抱えるぱちゅりー。 冗談じゃない、冗談じゃない、冗談じゃない!!! 「すっきりどれいはいやあああああああああああ!!!!」 嗚呼、お空のゆっくりプレイスのおとうさま、おかあさま。 ぱちゅりーは穢されてしまいます。 貴方達の家系が自分の代で途絶えてしまうこと、どうかお許しください。 ―――――――――――――――― 寝不足のぱちゅりーがのろのろと自宅から出てくる。 いくら思い悩んでいるとはいえ腹は減る。 群れに所属するぱちゅりー種はあまり狩りをする姿が見られないが このぱちゅりーは曲がりなりにも単独で生活しているのだ。 ただ引きこもっているだけというわけにもいかない。 「そ、そうね、きょうは、あっちのたんぽぽさんでもとろうかしら……」 何だか見られているような気がして落ち着かなかった。 いや、実際見られているのだ。 ほとんどのゆっくりは、そろそろ群れを作るべきなのではないかと思っている。 ぱちゅりー以外にも、群れへの所属経験のあるゆっくりは幹部候補に、という話も多い。 井戸端会議程度だが、掟などの素案も出始めている。 あとは、長となる者の号令をもって群れが成立するのだ。 皆『長となるべくしてここにいるぱちゅりー』にチラチラと視線を向けているのだ。 「ぱちゅりー!」 「むきゅ!?な、なにかしら!?」 ちぇんとまりさがぱちゅりーの横に立って声を掛けた。 「かおいろがわるいけどどうしたの?」 「たいちょうふりょうなんだねーわかるよー!」 二匹と視線を合わせることが出来ない。 目は泳ぎ、脂汗が出る。 「だ、だいじょう、ぶよ。ぱ、ぱちぇ、はね……」 「きょうはあめがふりそうなんだよー」 「ぱちゅりーはからだがよわいからむりしてかりにいかないほうがいいよ!」 「で、でも、ごはんさんをとりにいかないと……」 ぱちゅりーがそう言うのを待ってましたと言わんばかりにまりさは 大きなきのこを帽子から取り出した。 「ゆふんっ!きょうはたいっりょうっ!だったから ぱちゅりーにおすそわけしてあげるよ!」 「ぱちゅりーからおしえてもらったぱりばでみつけたからね!おかえしだよ!」 コロン、ときのこが地面に落ちるのを見てぱちゅりーは思った。 (せっ!せいじわいろ!!!) まさか自分はもう、あのまりさとの政治戦争に巻き込まれているのか!? 前の群れで『むきょきょ!ぱちぇはもりのけんじゃよー!』と 醜く太ったぱちゅりーが想起される。 しかし、賄賂が増えるごとに政治活動はおざなりになり とりあえず賄賂の多かった順に適当に意見を通していく。 当然そんな方法では群れの状態が立ち行かなくなり、民衆の不満が蓄積してゆく。 最終的には肥え太った何も出来ない身体を木の枝で刺し貫かれ 『もっとゆっくりしたかった……』などと辞世の句を読みつつ 散々ゆっくりしただろう、と侮蔑されながら死ぬのだ。 「むっきょおおおおおおおおおお!!!! おしょくじけんはいやああああああああ!!!! ぱちぇなにもわるいことしてないいいいいいいい!!!!」 二匹に背を向け、ぱちゅりー種とは思えない速さで逃げていった。 「おしょくじ……けん?わからないよー?」 「ぱちゅりーはなにもわるいことしてないよ……? これはまりさがあげたからおしょくじにしていいんだよ?」 ―――――――――――――――― 「むきょー……むきょ……けほっけほっ……!」 考えなしに走ったため、息が切れる。 しかも予定していた狩場とは別の場所に来てしまった。 まあいい、別に食にこだわりはない。 今日食べるごはんがあり、おうちでぐっすり眠ることが出来れば それ以上のゆっくりを望むことはしない。 「むっきゅん……」 しかし、危なかった。 あのきのこを受け取っていたらどうなっていたか想像したくない。 きっと、賄賂が徐々に増えていってこちらを調子付かせたところで 今度は逆にその汚職をネタに脅されるのだ。 決して口に出して言えないようなことを強要され 早くあいつを制裁するよう掟を操作しないと 取り返しがつかなくなるんだぜゆへへとか言われて 傀儡政権となり、責任は全て自分が取らされて 利益は全部あのまりさがもっていって、そして長の座を追われた後は捨てられて…… 「ぱちゅりー?」 「むっきょ!?」 ビクッとして振り返るとありすがいた。 比較的長くこの辺りに住んでいるありすだった。 見知った顔に安堵しつつ、平静を取り戻した表情でぱちゅりーは口を開く。 「ありす、ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね。かりのちょうしはどうかしら?」 「む、むきゅ、まだはじめたばかりだからなにもないわ」 「そうなの。ありすはこれからあっちでかりをするけど、いっしょにくるかしら?」 「そうさせてもらうわ」 ありすと並び、野草を集める。 枯れた植物はバリバリして食べやすいが、量も味もいまいちだ。 逆にみずみずしい生きた植物は噛み切ったり集めたりするのが難しい。 身体能力が多少優れたまりさ種は後者を中心に集めるが ありすとぱちゅりーはその中間くらいの、程よく茶色がかった植物を選定して集めた。 黙々と作業に没頭していたぱちゅりーだったが ありすが動きを止めているのに気付き、そちらへ向き直る。 「ありす?」 ありすが少し潤んだ目でぱちゅりーを見ていた。 「ぱちゅりー……」 風が吹き抜けてゆく。 「むきゅ!?ごはんさんが!!」 「まって!!」 ありすの狩りの成果が風で一部飛ばされてしまうのを気にしたぱちゅりーが それを追おうとするが、ありすが強い語気でそれを制する。 「あ、ありす?」 ありすの目は真剣だった。 「ぱちゅりー。わたしたち、であってけっこうたつわよね?」 「むきゅ?そ、そうね」 「いっぱいおそわることがあったわ。 あたまがよくて、それでいてじぶんでかりもできて。 さいしょはがんばりやさんだとかんしんしたけど それはかんしんとはべつのかんじょうだったの」 「べつの?」 「ええ。それに、ありすのおうちのまわりにも、いっぱいゆっくりがあつまったわ。 さいきんではつがいになるゆっくりもめずらしくないし。 おちびちゃんをつくってしあわせーしてるのがうらやましかった」 「そ、そうなの」 「だから、だからね、ありすは、その、おさになったぱちゅりーと………」 ぱちゅりーは、そこまでしか聞き取れなかった。 「むきょわああああああああああああああああああああ!!!!! まくらえいぎょうおおおおおおおおおおおおおおおお!!!??? あいじんかんけいいいいいいいいいいいい!!!! ぱちぇはおさにならないいいいいいいいいいいい!!!!!」 「いっしょに……いっしょに……いっしょにゆっくり……え?」 ありすが見たのは、脱兎のように逃げるぱちゅりーの後ろ姿だった。 ―――――――――――――――― 「むきょー………むきょー………」 荒い息をしながらまた別の狩場にやってきたぱちゅりー。 「あ……ありすが……あんなやしんかだったなんて………!」 前の群れで最強を自称していたまりさを思い出す。 何匹もの愛人を作ってすっきりしまくる毎日。 だが愛人の中には本気でまりさが好きな者と、権力だけを求めるものがいた。 そして愛人同士で罵り合いが始まるのだ。 まりさを好きなものは権力狙いの者を罵倒するが、最終的には立場が弱い。 しかし、その愛がいずれ憎しみに変わってゆき、権力目当ての愛人が少しずつ消けされてゆく。 それでも愛人を作ることをやめないので最後は正妻による凶刃がまりさを襲うのだ。 最も愛した者に恨まれ、死んでゆく。 最後にはその正妻自身が自らの命を絶つ。 何も残らないバッドエンド。 「どろどろのあいぞうげきはいやあああああああああああ!!!!!」 二本の髪で頭をかきむしるぱちゅりー。 髪がボサボサになってしまっているが、それどころではなかった。 (じたいは、おもったいじょうにはやくすすんでいるわ……!) 一刻も早く、打開策を考えねばならない。 「むきゅ……」 瞳に理性的な光を取り戻すぱちゅりー。 目標の最低ラインは、自分が長にならないことだ。 今切れる手札はは以下の三つ。 ①まりさを長にする。 ②自分が長になる。 ③死ぬ。 「ぜんぜんだめじゃないのおおおおおおおおおおおお!!!」 またも頭をかきむしるぱちゅりー。 はっきり言って①≒②=③である。 落ち着け。COOLになるのよぱちぇ。と自分に言い聞かせながら条件を再確認する。 (ぱちぇがおさにすいせんされるのはここにすんでからがながいからよね……。 じゃあべつのゆっくりを……だめね。ぱちぇよりながくすんだゆっくりはいない。 ぱちぇのちしきがもんだい?ちょうしにのっていろいろしゃべりすぎたかしら……。 じゃあ、でたらめのじょうほうをまいてぱちぇがおさこうほからはずれる? だめね。それじゃあまりさがおさになっちゃう……) 独り言を言いながらうろうろとその場で歩き回る。 「な………なんなのぜ……あいつ………」 もう一方の長候補であるまりさが子分を連れて同じ狩場に来ていた。 ぱちゅりーを見るやいなや、ちょっと牽制しておこうと近づいた矢先 その様相をみてぎょっとした。 「な、なにかつぶやいているわ……」 「わからないよー?」 髪の毛ボサボサで据わった目のぱちゅりーに声を掛けるのはとても躊躇われた。 「ありす、とりあえずはなしかけてくるんだぜ!」 「な、なんでありすが!」 「つぎのおさになるまりさのめいれいがきけないのぜ!? おさになったらまっさきについほうしてやってもいいのぜ!」 「わ、わかったわよ……」 ありすがのろのろと慎重にぱちゅりーに近づく。 依然、ぶつぶつと独り言をつぶやくぱちゅりーにはそれが見えていない。 「ちょっと……ぱ、ぱちゅりー?」 (ぱちぇがさんぼうになるといえば……。 いえ、けんりょくこうぞうにくみこまれるじてんであうとね。 いちどおさになってからすぐやめれば……いえ、それもだめ) 「ぱちゅりー!きいてるの!?ぱちゅりー!!」 正面から話しかけたにもかかわらず気付かずに振り返ったぱちゅりーに駆け寄るありす。 「むきゅ?」 さっと振り返るぱちゅりー。 「え……」 もみ上げなどを持たないため、軽く近づいて背中を小突いてやろうと近づいたありす。 その結果。 ……ぶちゅ。 二匹は、正面衝突した。口で。 「な………な………なな…………………」 真っ赤になり絶句するありす。 「む……むきょ………むきょわ………………」 震えながら涙目になるぱちゅりー。 次の瞬間 「れいぱーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!」 「ちょ、ちょっと!」 一番焦ったのはありす。 同族がレイパーとなった事例はありすとて知らないわけではない。 だが、知っているが故にレイパー呼ばわりされたありすがどうなるかも良く知っている。 「むきょ、むきょ、むきょおおおおおおおおおおお!!!!! ぱちぇのはじめてがうばわれたああああああああああああああ!!!!!」 「ちょ、ちょっとまちなさい!!この!!!いなかもの!!!!」 駆け出したぱちゅりーを追いかけるありす。 レイパー扱いされれば普通は話が通じないとみなされ制裁は避けられない。 いくら群れの形成前とはいえ、長候補のぱちゅりーを襲ったとなれば 掟がどうのという問題ではないだろう。 「ごっぢごないでええええええええええええええ!!!!」 「れいぱーじゃないって!いって!るでしょ!!この!!いなかものおおおおおお!!!!」 この追いかけっこは、ありすが追いつくまで続いた。 繰り返しの説明により、なんとかレイパーでないということを分かってもらったありすは ぱちゅりーからのお詫びを受け取ることで何とか納得し、事態は収拾する。 ―――――――――――――――― 「なんだか、さいきんぱちゅりーがへんだよ」 「まりさもそうおもうかしら?」 「ぱちゅりーのいってることがちぇんにはわからないよー……」 ぱちゅりーの奇妙な行動はとどまることを知らず、評判が落ち始めていた。 一連の行動は、自分が長にならないための回避行動だったのだが 全く違う方向でその成果は現れている。 自然、ぱちゅりーを長にという話はお流れという風潮になりつつある。 「ゆふんっ!やっぱりさいっきょうっのまりささまがおさなんだぜ!!」 「まりさをおさにするやつはいなんだね。わかれよー……」 小声でつぶやくちぇん。 ぱちゅりーは長に相応しくない。 まあそれは仕方がない。 だからといって、長がいなくていいわけではない。 ここのゆっくり達はもう、群れの体を成しているが肝心のまとめ役がいない。 「ちぇんにはなにもわからないよー……」 かつてとある群れで幹部をしていたちぇん。 群れの運営経験があるためぱちゅりーの補佐につくつもりであった。 だが、長に就任するとなると話が違ってくる。 かつて自分が所属していた群れの長ぱちゅりーのように 群れを先導してゆける自信がない。 しかし、まりさを長にするわけにもいかない。 まりさが長になればあっと言う間にまりさが全ての掟が出来上がり ゲスだらけの力だけが支配する群れが完成することだろう。 幹部候補と呼ばれる自分も、あんな奴を支えるつもりになどまったくなれないし 良い方向へ導いてゆけるはずもない。 「こまったよー……」 自分が長に立候補するという選択肢も本気で考えなければならないのだろうか。 でも、諦めきれない。 ぱちゅりーはいいゆっくりのはずなのだ。 今は評判を落としているが、以前はもっとも長に近いゆっくりだったのだ。 幹部候補と祭り上げられている自分がぱちゅりーを推せば 皆もとりあえず納得してくれるだろう。 ぱちゅりーも、実際に長になってみれば何とか頑張ってくれると信じられる。 ちぇんはもう一刻の猶予もなしと ぱちゅりーに長になることをストレートに頼みに行こうと思った。 ―――――――――――――――― 「ぱちゅりー!ぱちゅりー!!」 狩りが終わるタイミングを見計らってちぇんはぱちゅりーの自宅を訪ねた。 ぱちゅりーの『おうち』は近辺で最も豪華である。 その理由は、とりあえず作った『おうち』を完成と決め付けず 継続的な改善、拡張を続けてきた結果だ。 そんな思いを胸にし、ちぇんはますますぱちゅりーを長にしたくなる。 それに、住居や以前までの評判を考えれば ぱちゅりーはすでに実質の長をやれていたと考えたいくらいだ。 「むきゅ?」 『おうち』の中には中身が詰まってパンパンの帽子をかぶったぱちゅりーがそわそわしていた。 「ぱ、ぱちゅりーなにやって」 「むきゅ!はやくなかにはいって!!」 「ちょ、ちょっと、いたいよ!」 ぱちゅりーの髪に引っ張られながら自宅に入るちぇん。 中に入るとぱちゅりーが入り口から外を見回し、誰も入ってこないことを確認する。 「ぱちゅりー……?わからないよ……?」 「むきゅ。だれもみていないしきいてないわね」 安全確認を終えたぱちゅりーがちぇんの元へ戻ってくる。 「なにやってるの?ぱちゅりー?」 「むきゅ……あなたにはわるいことをしたわね……」 「わ、わからないよー?」 困惑するちぇん。 ぱちゅりーは申し訳なさそうに、それでいて決意をこめて言った。 「よにげよ」 「え……?」 「ぱちぇは、よにげするわ」 「わからないよおおおおおおおお!!!!????」 「しっ!!おおきなこえをださないで!!」 「わ、わかったよー……でもぱちゅりー、どうして?」 「ぱちぇは……おさになることはできないし、おさをえらぶこともできないからよ」 「わからないよー……」 「いいえ、あなたはわかっているはずよ、ちぇん。 ぱちぇのところにきたんだからら」 「ど、どういうことなの?」 ぱちゅりーは、溜め息をついた。 自分ほどではないが、ちぇんは同じ悩みを抱えている。 だからこそ分かっているし、分かってほしいと思ってしまった。 「ぱちぇはね、ゆっくりしたいの。ちぇんもそうでしょ?」 「も、もちろんだよー」 「それで、おさになればゆっくりできるとおもう?」 「お、おさはゆっくりしてるんだよ?」 「じゃあどうしてちぇんはおさにならないの?」 「………ちぇんは、おさができるほどかしこくないよー」 「それをいったらぱちぇもなの、ちぇん。 ううん。ここにすむゆっくりに、おさがつとまるゆっくりなんていないの」 「……でも、まりさはおさをやりたがってるよー……」 ぱちゅりーは、少しだけ悲しい目をした。 「そう。ぱちぇは、じぶんでおさをやりたいとはおもわない。 でも、まりさのようなゆっくりがおさになることをはんたいしきれない。 ぱちぇがみをひいたあと、まりさがおさになるのをとめられない。 だからにげるの」 「ぱちゅりー……」 「むせきにんでしょ?でもぱちぇもみんながむせきにんだといいたいわ。 ぱちぇがおさになったら、すべてのもんだいがぜんぶぱちぇのせいにされるのだから」 「わかるよー……」 「ほんとうはゆっくりのむれにおさなんていらないの。 ぱちぇはいままでゆっくりしてきたわ。ちぇんもそうだったんじゃないの?」 「だ、だけどむれをつくればゆっくりできるよ?」 「じゃあなんで、ちぇんはここにいるのかしら?」 「…………」 「ちぇんの、まえのむれはゆっくりしてたかしら?」 「ちぇんは……」 「むれのおさをやっていたら、いつころされてもおかしくないわ。 そうどうがおきればまっさきにねらわれるし そうでなくてもけんりょくやしょくりょうのたくわえをねらわれるかもしれない。 りっぱなおうちにすんで、いちばんめだつことをしているんだからね」 「ぱちゅりー、だからむれをつくるのがいやなの? このままじゃ、ここのゆっくりたちはまりさに……」 「いったでしょ?ぱちぇはむせきにんなの。 だからね。さよならしましょ?」 「………」 しばしの沈黙が生まれる。 お互い、思っていたことをぶつけた。 これで納得いかなければ衝突は避けられない。 群れを、コミュニティを作るとはこういうことだ。 そこには違った意見があり、争いがあり、最終的には滅びが訪れる。 その余波から自分のみを守るためには その隅っこで常に逃げられる体勢を維持し続けるしかない。 「ぱちゅりー」 「なに?」 「ちぇんはやっぱりぱちゅりーとさよならするのはいやだよ」 「そう……じゃあ、どうするの?」 ちぇんは少し間をため、意を決して言った。 「ちぇんも、いっしょにいくよ」 「むきゅ…?」 「ぱちゅりーのいうとおり、ちぇんはおさなんてやりたくないよ。 だけど、まりさがおさをやってるむれなんかにいたくないよ」 「だ、だけど」 「ちぇんは、たくさんのなかまをみすてるよ。 でも、ぱちゅりーだけはみすてたくないよ」 「ちぇん……」 「わるいけどいやっていってもついていくよ」 「むきゅう……でも、ちぇんはじゅんびもしてないでしょ?」 「あしでまといになるつもりはないよ。ぱちゅりーにみすてられたくないしね。 もしおいていくっていうなら、ぱちゅりーがにげだそうとしてるってみんなにいいふらすよ」 「むっきゅん……わるいゆっくりね」 「ぱちゅりーにいわれたくないんだねー」 集落が形成され、社会が発展し、技術が進歩する。 それこそが、人間が辿ってきた高度文明への道筋なのだが ゆっくりは、その途中で必ず頓挫する。 群れが形成されようとも、必ず滅びが来る。 そしてその後には何も残らない。 滅んだ世界のさらにその先では、新たなゆっくりが群れを成し始める。 それまで積み重ねられてきたプロセスが、継承されることなく。 ――――第二章 ひつようなこと―――― 「ぱちゅりぃぃぃぃぃ!!!」 「ちぇえええええええええええん!!!」 翌朝のこと。 群れの中でもっとも大きなぱちゅりーの自宅の中はもぬけの空になっていた。 最初に気付いたのは、ぱちゅりーに狩りに関する相談に来た、隣に住むまりさ。 次いで、幹部候補と言われたちぇんにそのことを報告しようと思ったら、ちぇんもいない。 二匹の失踪により、集まっていた……もう群れと呼んでよい程の規模となったゆっくり達は、大騒ぎした。 特に、優秀な群れのおこぼれに与ろうと思って越してきたゆっくり達は血相を変えている。 が、中にはその失踪を喜ぶ者たちもいる。 まりさ一派と、それに類する野心家達だ。 何も長になりたかったゆっくりは件のまりさ一匹ではない。 しかし、まりさは少なくとも阿呆ではなかった。 そういった連中を自分が長になったらどうこう、と鼻薬を嗅がせておき、協力者とした。 その手腕は確かに一ゆっくりに止まる実力ではないのだが、所詮は一ゆっくりなのだ。 まりさの目に留まらなかったゆっくりからはあからさまに疎まれていた。 「ゆふふふふ。ぱちゅりーのやつしっぽをまいてにげたのぜ」 「ゆほほほほ。これでまりさのてんかはまちがいないわね」 まりさの自宅ではまりさと腰巾着のありすが逃げたぱちゅりーを嘲笑っていた。 「まりさ!やっぱりぱちゅりーはいなくなってるんだよー!」 確認に向かわせたちぇんが戻ってくる。 「やったわねまりさ!さっそくまりさがかんがえていた『けいっかくっ』がじっこうできるわ!」 その場で跳ねて喜ぶありす。 しかしまりさはそれを冷静に受け流す。 「まあまつのぜありす。 もうすこし、そう、まりさがおさになるしかないじょうきょうを つくりだしてからのほうがいいのぜ」 今ならまりさ自身とその賛同者を使えば長になることが可能だろう。 だが、あまり力に任せてしまっては不信任のゆっくり達とのしこりを残してしまう。 なればこそ、もう少し不信任の連中の困り顔を拝んでやってから それを救うために自分が立ち上がったという筋書きを作ってやればいい。 凡庸なゆっくりなど、困っているところに 『ゆっくりさせてやる』と言いさえすれば簡単になびくものだ。 「ありす、ちぇん。わるいけどもうしばらくきゅうくつさせるのぜ」 「わかったよー」 「まりさがそういうなら」 三匹は明るい未来を想像しながら、その場でほくそ笑んだ。 ―――――――――――――――― ぱちゅりーとちぇんの両名の失踪から ゆっくりの基準で随分前と計算される時間である三日間が経過した。 その間群れでは、ぱちゅりーの知識に依存していたゆっくりが早々に行き詰り始めていた。 「わがらないよおおおおおお!!!」 「ごはんざんがどれながっだよおおおおおお!!!」 いくら種族として弱いゆっくりでも、その中では力の差がある。 特に、庇護を失って独力に頼らざるを得ない状況ではその差がはっきりと露呈する。 群れの崩壊しやすい理由の最大の理由がこれである。 ぱちゅりーの分け隔てない助力はゆっくりの生活レベルを平均化していた。 故に、実力の無いゆっくりが淘汰されることなく残り続けてしまうのだ。 さらにその不条理は群れのゆっくり全体の平均能力すら下げる結果となり 緩やかに衰退し続け、一定のタイミングをきっかけに、あっけなく崩壊するのだ。 「まりさ!まりさあああああ!!!」 「うるさいのぜ!!おまえみたいな『こくつぶし』にはもううんざりなのぜ!!」 例のぱちゅりーの家の隣に住んでいるれいむとまりさは、毎日のように喧嘩をしていた。 どうも、親切なぱちゅりーの知識や経験に寄生する気満々だったらしく れいむの頭には実ゆっくりが数をなしてぶら下がっていた。 「まりざはじぶんのごががわいぐないのおおおおおおお!!??」 「たしかにおちびちゃんはかわいいのぜ! だけどれいむはこれっぽっちもかわいくないのぜ!!!」 「どぼじでぞんなごどいうのおおおおおおおお!!??」 どうやら喧嘩の原因は妊娠を理由にして狩りをしないれいむにまりさが不満を持ったことのようだ。 二匹の間にはもとより愛など殆ど無かったらしく、お互いがお互いを利用し、利用される関係だったのだ。 れいむは、妊娠さえしてしまえば、出産後もその先狩りをを一切しないでいいと目論んだようだ。 対してまりさは、『すっきり』することを最大の目的としていたようで その後は何かと理由をつけてれいむのことを冷遇し続けた。 「だっだらごはんざんはおいでいっでよおおおおお!!! どぼじでだぐわえまでもっでいぐのおおおおおおお!!?? れいむはにんっじんっじでるんだよ!!?? おぢびぢゃんのぶんもだべないどいげないのいげないのにいいいいい!!!」 「まりさはまいにちのかりでつかれてるのぜ! いっつもおうちでゆっくりしてるだけのれいむなんか かれはでもむーしゃむーしゃしてればいいのぜ!!」 「ばりざあ!!まっで!!いがないで!!! でいぶじんぐるまざーになっぢゃううううううう!!! どぼじで!?ねぇ!!どぼじでぞんなひどいごどがでぎるのおおおおおおお!?」 まりさはれいむを見捨てて去っていった。 未練、というより今後の生活のアテを捨てきれず、その場で大騒ぎする。 「やっぱりこうなったわね……」 「まりさもひどいけどれいむもひどいのぜ……」 近所のゆっくりは哀れみを交えた視線で捨てられたれいむを見やる。 「ゆっ!?ど、どうじょうするならごはんさんをちょうだいね!!」 「ゆふんっ!!」 「ぶべぇ!!」 「ちかよるんじゃないのぜくずれいむ!!」 「どぼじで……どぼじで……」 この期に及んで手近なゆっくりに対して寄生する気のれいむは、完全に周囲のゆっくりに見捨てられた。 「おでがいいいい!!!でいぶをゆっぐりざぜでええええええ!!! でいぶはひげきのひろいんだよ!!!げすなまりざにずでられだじんぐるまざーだよおおおお!!! だれがあのまりざをぜいっざいっじでよおおおおおおおお!!! ぞうしだらでいぶにごはんさんちょうだいね!!!たくっさんっでいいよ!!!」 「ゆへへ、もうすぐころあいなんだぜ」 この群れは、既に群れの体を成していたが未だ無法地帯のままである。 掟なんてものは存在しないので、れいむを見捨てたまりさも ひどいと思われるだけで制裁することなどできない。 長になろうと目論むまりさは、ほくそ笑みながら事態がさらに悪化するのを待った。 ―――――――――――――――― 「びゅびゃああああああああああ!!!」 「じね!!じねえええええええ!!!!」 翌日、群れに大きな悲鳴が響きわたった。 騒ぎを聞きつけたゆっくりが何だ何だと集まってくる。 「ありずのどがいはなごーでぃねいどをよぐもおおおおおお!!!!」 「でいぶはじんぐるまざーで、ゆぎゃあああああああ!!!」 ありすのくわえた木の枝がれいむの目玉を突き刺した。 そのまま振り抜かれた枝は途中で折れ、れいむの目玉に刺さったまま残る。 「どぼじで!?どぼじでごんなごどずるのおおおおおおお!!!!????」 「おうぢをあらじでごはんさんをうばっておいでどぼじでじゃないでしょおおおおおお!!!???」 昨日の妊娠したれいむが留守中のありすの家に無断侵入し、食料を漁っていたのだ。 「じねええええええええ!!!」 バキッ 「あああああああああ!!!!!でいぶのおぢびぢゃんーーーーー!!!!」 執拗な攻撃でれいむの額から伸びる、実ゆっくりをつけた茎が折れた。 たちまち実ゆっくりの表情は曇ってゆき、この世に生を受けることなく息絶えていった。 「どぼじでえええええええええ!!??」 「まだいうがごのぐぞでいぶううううううううう!!!!」 ありすのくわえたひときわ大きな石がれいむを襲う。 周りのギャラリーも止めはしない。 ゆっくり殺しはゆっくりできない。 しかし、れいむの所業は明らかに制裁されても文句の言えないレベルだ。 止めの一撃が入る瞬間、全てのゆっくりが目をそらしたその時だった。 「そこまでなんだぜ!!!!」 「ぶびゃ!!!」 例のまりさがありすに軽く体当たりをして、攻撃をそらした。 ありすは軽く負傷し、抗議の声を上げる。 「ばりざああああああああああああ!!!! どういうづもりだあああああああああああ!!!!!」 「まあまつんだぜ!まりざのはなしをきくのぜ!」 「ふざげるなああああああああああ!!!! ぞいづは!!!ありずの!!!」 「たいあたりしたことはあやまるのぜ!あまあまでゆるすのぜ!!」 「ゆっ……!?」 まりさの帽子から野いちごが転がり出る。 自然界ではそうそう手に入らないそれを見たありすはぴたりと叫ぶのをやめた。 「ゆ、ゆふんっ。まあ、はなしだけはきこうかしらっ? だけどありすがなっとくできなかったらわかってるでしょうね?」 「だいじょうぶなのぜ!」 「ばでぃざあああああ!!!あでぃがどおおおおお!!! でいぶにもあばあばぢょうだいね!!!」 「だまるのぜぐず!!!ちぇん!ありす!そいつをおさえるのぜ!!」 「ゆっくりりかいしたわ!!」「ゆっくりりかいしたよ!!」 「は、はなぜ!!ぶびゅ!!!」 ありすとちぇんに左右からのしかかられ、れいむは声を上げられなくされた。 全てのゆっくりの視線が集まる中、まりさは大声で演説を始める。 「このれいむはたしかにころされてとうっぜんっなごみゆっくりなのぜ! でも、ただころすだけじゃありすはわりにあわないのぜ?」 「どういうことなのまりさ?」 被害者のありすが野いちごを齧りながら言う。 自宅の被害の件は片付いていないのにすっかり機嫌を直している。 「そもそも、こんなにゆっくりがあつまってるのにおさがいないのはへんなのぜ! このじけんも、おきてがないからこんなおおごとになったのぜ! もとはといえばまりさがれいむをみすてたのがわるいし わるいことをしたときにどういうせいっさいっがあるかきめられていないのもよくないのぜ!」 「「「ゆぅぅ……」」」 そりゃそうだ、というより、そんなことはもう全てのゆっくりが感じていた問題だった。 今回のような大事だけでなく、日常のちょっとした小競り合いですら どういう解決法を用いれば良いか、日々皆悩んでいたのだ。 その役は暫定的に失踪したぱちゅりーが買っていたのだが 今となっては個々で解決していくしか道が無い。 「そこでっ!!」 まりさが大仰に身体を振ってふんぞり返る。 「このまりささまがおさになって、みんながゆっくりできるおきてをつくっていくのぜ!」 「そうだそうだ!」 「それがいいよ!」 まりさの協力者が四、五匹間髪入れずに賛同の声を上げる。 だが、もともと評判のあまり良くないまりさ。 「れいむははんったいっだよ!!」 「みょんもだみょん!!まりさみたいながらのわるいゆっくりではつとまらないみょん!!」 並んで見ていたれいむとみょんが反対の意思を見せる。 そんなに二匹にまりさは余裕の表情で言う。 「ゆあぁぁぁん??まりさがおさになったらわるいとでもいうのぜぇぇぇ??ゆん!みんな!」 まりさが号令を出すと、賛同者がぞろぞろとまりさの横に並んだ。 その数、十三匹。 「なんだもんくあるのぜぇぇぇぇ?なんだったらいけんをきいてやってもいいのぜぇぇぇぇぇぇ??」 「ゆ……ゆ………ゆぅぅぅ………」 お下げでそっと頬を撫でられるみょん。 嫌みったらしい笑みを浮かべて顔を近づけるまりさにこれ以上逆らえば間違いなく袋叩きに遭うだろう。 反対派が未だに多いのだが、まりさ一派のような明確な結束力を持たないので 一見すると数が多く見えるまりさ達に個々の判断で行動するのは危険すぎた。 そしてみょんとれいむの間に入り込んでボソッと小声で言う。 「……なんだったらこのばでせいっさいっしてやるのぜ?」 「「ゆひぃぃぃぃぃぃぃ!!!」」 二匹は震え上がった。 まりさの余裕の態度と、目の前に集まって睨みを利かせるまりさの賛同者にただただ怯えるしかない。 「よし!きまりなのぜ!」 まりさは振り返ると同時、先ほどまでの嫌らしい笑みを消して全員に向き直る。 「さっそく、そこのごみれいむのせいっさいっほうほうをきめるのぜ!! と、いってもじつはせいっさいっについては、まりさにはすでにかんがえがあるのぜ!!」 そう言ってれいむに近づくまりさ。 「で……でいぶに……ひどいごど……じないでね……?」 「ゆふんっ……」 ブチッ 「ゆ……あああああああああああ!!!!!」 にやりと笑うと、れいむのリボンを少し食いちぎった。 おかざりを傷つけられたれいむは、押さえられて声を出しづらい状況にもかかわらず 身を切られたかのような思いに絶叫した。 まりさはそれに構わず、食いちぎったリボンの断片を皆の見える位置にプッと吐き出す。 「これが、すべてのはんざいゆっくりにかならずあたえられるせいっさいっなのぜ! これかられいむははんざいゆっくりなのぜ! もちろんそれだけじゃないのぜ! このごみれいむはこれから、むれのどれいとして いっしょうしょくりょうをあつめさせて、むれのたくわえにするのぜ!」 「ゆえええええええええ!!!???」 「ゆっ!?まりさ!そんなばつでいいの!?」 れいむは理不尽な罰だと絶叫し、被害者のありすは抗議した。 まりさは当然の抗議だと言葉を続ける。 「もちろんそれだけじゃないのぜ! ひがいをうけたありすにはれいむがぬすみぐいしたしょくりょうをたくわえからかえすのぜ! それだけじゃないのぜ!ありすにはれいむをすきなときに せいっさいっする『けんり』をあたえるのぜ!」 「ゆっ!?ほんとうなのまりさ!」 「もちろんなのぜ?まりさはもともとあまりせいっさいっをとめるきはないのぜ! ただし、えいえんにゆっくりさせるのはだめなのぜ! そうするとしょくりょうのへんっさいっができなくなってしまうのぜ!」 「ゆゆん!それならありすもなっとくできるわ!」 「ふっ…ふざけ……ないでね……でいぶは……」 「ちぇん、ありす、ごみれいむをはなすのぜ」 「わかったよー」 ありすとちぇんがれいむから離れると、途端に大騒ぎする。 「ばりざあああああああ!!!! でいぶにごんなごどじでいいどおもっでるのがあああああああああ!!!」 「ゆぷぷ。ぽんこつおりぼんをつけたはんざいでいぶがなにかいってるのぜ」 「ばりざああああああ!!!!まずおまえをぜいっざいっじでやるううううう!!!!」 「ゆふんっ」 ドカッ 「ゆべしぃ!!」 「はんざいゆっくりがまりさにさわるななのぜ!まわりをみてみるのぜ?」 「ゆ?……ゆ………ゆぅぅ………!?」 周囲のゆっくり達は、れいむの惨めな姿を嘲笑っていた。 理不尽な制裁を受けてかわいそうな自分をかばってくれると思い込んでいたれいむは その態度に心象を一変させる。 「どぼじでぞんなめででいぶをみるのおおおおお!!??」 お飾りを損傷したゆっくり、そしてそれは犯罪者の証。 まりさが群れのゆっくりにそう吹き込んだことで、れいむは完全に侮蔑の対象となっていた。 「ゆぅ!?」 その中にれいむは、自分を捨てたまりさの姿を確認する。 「ばりざあああああああ!!!おばえが!!! おばえがでいぶをずでだぜいでええええええええええ!!!!」 「ゆっ!?」 「ぞいづも!!!ぞいづもぜいっざいっだああああああああ!!!! ぜいっざいっじろおおおおおおおおおおお!!!!!」 「だまりなさいはんざいゆっくり!!!」 「ぶげっ!!」 側近のありすに体当たりをされて強制的に黙らされるれいむ。 そしてまりさは、れいむを捨てたことを咎められるのではないかと怯えるまりさに静かに言う。 「ゆひぃぃぃぃぃい!!」 「おびえることはないのぜ。 あのごみれいむがいってるのはおきてをきめるまえのはなしなのぜ。 おきてがないときにしたことをあとからせいっさいっするのはりふじんなのぜ」 「ゆ……ほ、ほんとう?」 「はあああああああああああああああ!!?? おきてはおきてでしょおおおおおおおおおお!!!???」 「だまるのぜ!!おきてはこれからこのごみれいむをせいっさいっするところからはじめるのぜ!! みんなはちょっとずつでいいから、おきてをていっあんっしてほしいのぜ!! みんなでゆっくりできるむれをつくっていくのぜ」 「ゆぅー!」 「れいむもさんせいだよ!!」 「まりさがこのむれのおさになるのがいいわ!!」 「ゆっくりしていってね!!」 ――――第三章 おさとして―――― 例のれいむを裁いたその日からまりさは名実共に群れの長に就任した。 ありすとちぇんを幹部として迎え、一部の賛同者を抱え込んだまりさは 少しずつだが、為政者としての頭角を現していった。 表向きには皆の良き相談役として、個々の問題を解決していった。 少しずつ提案される掟を皆に周知徹底してゆき、小競り合いも減少している。 時折ゲス気質を見せるゆっくりを犯罪ゆっくりとして制裁し、奴隷も増えていった。 元々ぱちゅりーの住んでいた家を長の拠点とし 奴隷から徴収した食料も徐々に増してゆく。 長となったまりさのおかげで、群れは以前の安定を取り戻し始めていたように見えた。 少なくとも、自活できるゆっくりは犯罪の減少で暮らしがよくなっている。 「このっ!!はやくつぎのかりにいってくるのぜ!!!」 「ゆべっ!!!やべてぇ!!!もうむりなんでずううううう!!!!! でいぶもういっぼもうごげないんでううううう!!!!」 「いっぽもうごけないんならぷーすぷーすさんからにげるんじゃないのぜぇ!!」 「やべでええええええええ!!!ぷーすぷーすさんはゆるじでえええええええええ!!!!」 「だったらとっととかりにいくのぜ!!! これっぽっちしかあつめられないんならきょうは『しゅくしゃ』にはいれられないのぜ!!」 「ゆんやあ!!ゆんやあああああああああ!!!!」 長まりさはその口にくわえた木の枝で犯罪ゆっくり第一号のれいむに暴行を働いていた。 「さけべるうちはまだまだかりができるのぜ!」 「ぞんなごどありばぜん!!!でいぶもうげんがいでず!!! ありずにごはんざんはがえじだでじょおおおおおおお!!!??? どぼじでまだがりをじないどいげないのおおおおおおおお!!!???」 「どれいゆっくりを『ゆるす』ときなんていっしょうこないのぜ!!! いいからさっさとかりにいくのぜ!このごみ!!」 「ゆー、だめよおさ、ただらんぼうするだけじゃ」 そこに割って入ったのは幹部となったありす。 元々長まりさとつるんでいた仲なので基本、対等な関係が続いていた。 今の幹部ありすは、奴隷ゆっくりを収容する宿舎の看守に納まっている。 長まりさもこうして好きな時に出入りし、仕事と称して遊びに来ていた。 「みょん!れいむ!そいつをおさえなさい!」 「ゆっくりりかいしたよ!」「ゆっくりりかいしたみょん」 「ゆぅ!?やべでね!でいぶにひどいごどじないでね!!」 二匹の看守ゆっくりに左右から挟み込むように押さえられ、身動きが取れなくなる奴隷のれいむ。 「まりさ、そいつのめだまにささったえだをぐーりぐーりしてやりなさい!」 「ゆ?これなのぜ?」 「やべでえええええええええ!!!!ぞれにざわらないでええええええええ!!!」 「おとなしくするみょん!」 ジタバタと暴れるれいむの目玉には、かつての被害者ありすの刺した木の枝が残っていた。 まりさはそれをお下げで掴むと、適当に動かした。 「ぐーりぐーり」 「ぎゅびゃああああああああああ!!!!!! おでがいゆるじでえええええええ!!!!いだいのいやああああああ!!!!」 「ゆふんっ!これならどう!?それっそれっ!」 そして後ろからは幹部ありすがれいむにぺにぺにを突き立てていた。 無抵抗なれいむは長まりさと幹部ありすの好き放題に暴行される。 数分後には、本当の意味で満身創痍になったれいむが宿舎の外へ打ち捨てられた。 「びゅべぇ!!」 「さ、おさとかんぶのありすにさからったばつはそれくらいにしてあげるから とっととおしごとをしなさいね!」 「おで……が…………でいぶ………もう………むり……………」 「ふん!だったらいっしょうそこでそうやってればいいわ! ありすはかまわないわよ?いきていられればのはなしだけどね!」 「ゆんやあ………ゆんやあ………………」 れいむは自分の運命に涙した。 死にたくない。でも生きているのも辛い。 いっそ群れを抜け出してしまいたいが そんなことをするだけの度胸もバイタリティもれいむには残っていなかった。 ―――――――――――――――― 「どうしたのかなー?ちぇんにさからうきなのかなぁー?」 「ゆ………ゆぅ…………」 「ゆぷぷ。ちぇん、そのくらいにしとくんだぜ。 はんざいゆっくりでもないやつをいじめるもんじゃないんだぜ」 長まりさは、ありすと同じく幹部のポストに納まったちぇんを含む五匹ほどのゆっくりと一緒に 群れをパトロールしていた。 実際、掟破りをするゆっくりがいないか見て回る作業なのだが それが単なる正義の行いでないことは誰の目から見ても明らかであった。 「ゆああぁぁん!!??いまれいむからめをそらしたね!? なにかやましいことでもあるの!?」 「ゆうぅぅ!?しょ、しょんにゃことないのじぇ!? まりちゃはただゆっくちちてただけなのじぇ!?」 「れいむ、そんなちいさなまりさがわるいことするわけないよ、わかってねー」 「ふん!まあいいよ!」 掟破りをしていないゆっくりをどうこうするわけにもいかない。 そこのところは最低限のルールとしてパトロールをするゆっくりに徹底させていた。 しかし逆に言えば、それさえ守っていれば何をやっても許される。 言いがかりじみたことを言って尋問をしたり 家宅捜索などと称して適当な家に入り込んだり。 今ではすっかりパトロールするちぇん以下数匹のゆっくりは疎んじられていた。 ちょっとしたことで言いがかりを付けられないかと挙動に注意を払うゆっくりが増えたので 一応それも犯罪抑制につながっているのだが、民衆の不満は積もる一方だった。 誰かが鬱憤晴らしのために適当に言いがかりを付け、別のゆっくりが宥める。 そんな三文芝居を繰り返すことで辛うじて最低限のモラルは守られていた。 ―――――――――――――――― 長まりさの自宅(くどいようだがかつてのぱちゅりーの家)でまりさ、ありす、ちぇんが食事をしている。 「ゆふふふふふふ、まりさはさいっこうっのおさなのぜ! むーしゃむーしゃ、ごはんさんはおいしいのぜ!」 このまりさが長としての地位を築き上げ そして守っていられるのは、ひとえにその積極性にある。 仕事と称して一般のゆっくりをからかったり 奴隷となったゆっくりに暴行を振るったりすることを楽しんでいるのだ。 同じような立場に立たされたれいむやぱちゅりーならば 自宅で動かずにゆっくりし続けるだけの怠惰な日々を送るのだろうが まりさはそういったタイプのゲスではなかった。 相手を貶め、暴力をふるい、優位に立つことにゆっくりを感じるタイプである。 「んほほほほほほ、まりさはさいっこうっのおさね! ありすもはながたかいわ!」 「ちぇんもたくさんゆっくりできるよー! あのくちばっかりのぱちゅりーとはちがうんだねー!」 この群れは大きく分けて三つの階層に分かたれていた。 一つは一般のゆっくりの階層。 当初は長まりさを良く思っていない連中もいたが 税の取立てなどはほんの僅かで、掟を守っていれば問題なく暮らせる。 一見正しく、合理的に見えるその為政により反対派はなりを潜めていった。 ただしそれは、表向きにはという話である。 裏では何かおかしいとか、間違ってないかと考えるゆっくりがいないでもないし パトロールの鬱陶しさは問題視する声も上がっていたが 実際に掟破りをしていないゆっくりがひどい目に遭うことはなかったし 正義の御旗を掲げられては従う他無かったのである。 二つ目は奴隷ゆっくりの階層。 最初のれいむを初めとして 十匹前後の掟破りを犯したゆっくりが一まとめに『宿舎』に収監されていた。 宿舎自体が奴隷ゆっくりに掘らせたもので、そこに一括管理されることでそのシステムを維持している。 この階層に対する掟は一つ、『えいえんにゆっくりさせてはいけない』だけだった。 当初は、被害者であるゆっくりだけが対象の犯罪者を制裁できる権限を持っているというものだったが 看守はどうしても力ずくで従わせる他無く、看守は積極的に奴隷ゆっくりを苛め抜いた。 もっとも、奴隷ゆっくりが看守に逆らうのは一種の掟破りとみなされたので このシステムは容易に受け入れられた。 今では日常的に暴力を受け、行動不能に至るまで狩りやその他の重労働を課せられ続けた。 最後に長まりさ、幹部ちぇん、幹部ありすを筆頭とする当初からまりさに従っていた賛同者達。 奴隷ゆっくりの宿舎の看守である幹部ありすのグループと パトロールを行う幹部ちぇんの治安維持部隊がそれに該当する。 今や上流階級に位置するこの階層は、完全に群れを掌握していた。 長まりさが常にどちらかについて監視していたのも大きい。 この階層のゆっくりは安寧した暮らしが約束されており、掟破りが現れることはなかった。 一般のゆっくりからは申し訳程度の税しか徴収せず その収入の大部分をまかなうのは奴隷ゆっくりである。 掟破りをしたゆっくりを、ましてお飾りの欠けた負け組みのゆっくりに 一般のゆっくりが同情するようなこともなく、群れはいい具合に回り続けていた。 今や、長まりさは真の群れの長としてこの集落に君臨している。 「ゆふんっ!ありす、ちぇん。 まりさはさいっこうっの『いせいしゃ』なのぜ!」 「もちろんだよー!まりさがおさになってからちぇんはとってもゆっくりできてるよー!」 「ゆふふ、まったくあのぱちゅりーをおさにしようとしてたなんてこのむれのゆっくりは おばかばっかりね!」 「ゆぅ……?」 ありすの言葉に、まりさは露骨に嫌な顔をした。 「もうあんなくずのことはわすれるのぜ! あんぱぱちゅりーがまりさとおさのちいをあらそっていたなんてはきけがするのぜ!」 「ゆぅ…ご、ごめんなさい」 長まりさはことあるごとに失踪したぱちゅりーの名を出されることを嫌っていた。 特に奴隷階層の中では、あの時ぱちゅりーが長になっていれば、今もこの群れにいてくれればと 希望の星として神格化されているフシがある。 「まったくはらがたつのぜ!あんなやくたたずのこしぬけゆっくりがおさ!? まりさみたいなさいっきょうっのゆっくりとあんなのをいっしょにしないでほしいのぜ!」 「ゆ……」 「わからないよー……」 ぱちゅりーの存在があったが故に、奴隷ゆっくりは心の底では決してまりさを長とは認めない。 それが反抗心の火種となり、ある程度暴力に訴えなければ言うことに従わないのだ。 「そ、それよりまりさ。そろそろけっこんについてかんがえたほうがいいんじゃないかしら?」 話題を変えるために、ありすが話を切り出す。 「ゆ、そうなんだぜ。まりさもそろそろけっこんしないといきおくれになってしまうんだぜ!」 うまくまりさの気を逸らすことに成功したのを確認した二匹は安堵する。 「まりささまのゆうっしゅうっないでんしをこうせいにのこさないと このむれのしょうらいがあぶないのぜ!せかいのだいそんしつなのぜ!」 「ま、まりさはだれとけっこんするつもりなのかしら? まさか、わたしとかいうんじゃないでしょうね!?」 赤面しながら鬱陶しい視線をチラチラとまりさに向けるありす。 しかし 「ゆ?なにいってるのぜ?どれいをあいてにすっきりしまくるびっちなんかにきょうみはないのぜ!」 瞬間、ありすの時間が凍りついた。 「わかるよー!まりさはあのれいむがおこのみなんだねー!」 「ゆゆ!?そんなことないのぜ?てれるのぜ!まりさはその、だから……」 談笑を続けるちぇんとまりさはありすの変化に気付かない。 (え?どういうこと?まりさは、ありすに?ちょっと。れいむなんていまはかんけいないでしょ?) ちぇんにからかわれながらも満更ではない様子のまりさ。 長に向かって云々、とまりさが口にすることは無い。 便宜上長と幹部という形に納まっているが 何だかんだでまりさもちぇんも対等な友として見ているのだ。 だが、ありすからまりさに対する思い関してはそうでもなかったらしい。 「ゆ、ゆ、まあ、まだじかんはあるのぜ! あせってけっこんするのはよくないのぜ!」 「そうだねー。れいむはゆっくりしたゆっくりがすきだからねー!わかるよー!」 「ゆぅん!ちぇん、もうやめるのぜ!」 ありすは自分の存立基盤が崩れてゆくのを感じていた。 そこに空気の読めないまりさが追い討ちをかける。 「ありすもどれいとばかりすっきりしてないで、あいのあるすっきりをいちどはけいけんしてみるのぜ? なんだったらいいゆっくりをしょうかいするのぜ?」 プツン、と。 ありすの中にあった、切れてはいけない何かが切れる音がした。 ―――――――――――――――― 次の日から、奴隷宿舎は今まで以上の地獄と化した。 「はやくしろっていってるでしょ!!くず!ごみ!!」 「やべ!!いだ!!ゆっぐ!ゆっぐり!!ごべん!!!なざ!!!!」 鬼の形相で奴隷のまりさに暴力を振るう幹部ありす。 他の奴隷ゆっくりはただただ怯えるばかりであったが 看守ゆっくり達はその様子を呆然と見ていた。 ありすの暴力は『従わせる』という範疇を明らかに超えていた。 いや、元々いじめを楽しんでいたことがなかったとは言わないが それにしてもありすのそれは度を越していた。 「ふんっ!ほんとうにやくにたたないくずどれいね!! あんたにいきてるかちなんてないのよ!!」 「べっ…………」 ボロ雑巾のようにされたまりさは奴隷用の共同トイレに叩き落され うめき声を上げることもなくその中でうずくまった。 「あ、ありす、ちょっとやりすぎだよ……」 看守ゆっくりのれいむが恐る恐る言う。 「まともにしごとができないあのくずがいけないのよ! どうせしごとができないならどうなってもいいでしょ!?」 「で、でも、えいえんにゆっくりさせたら……」 「あんたのめはふしあな!?えいえんにゆっくりなんてしてないでしょ!? ばかなこといってないではやくしごとしなさい!!」 「ゆ、ゆっくりりかいしたよ……」 奴隷は勿論、看守ゆっくり達も表立って幹部に逆らうわけにもいかず 昨日今日のありすの豹変にビクつきながらも、仕事に戻っていった。 ―――――――――――――――― ありすの癇癪と奴隷の扱いは収まるどころか、日に日に酷くなっていった。 今まで必死の形相で狩りをしていた奴隷達は生気がなくなってゆき 次第に死んだ魚のような目をしてもそもそと草むしりのような狩りをするようになっていった。 当然、その話は長まりさの耳にも入り、ありすに注意を促すも 『えいえんにゆっくりさせていない』『やくたたずのどれいがわるい』とあまり効果は無いようだ。 ルールを破っていない以上、長まりさもあまりありすに対して強く出れない。 それに心なしか、長まりさに対するありすの態度もトゲトゲしたものになっていった。 まりさ、ありす、ちぇんの三匹で食卓を囲う回数も減ってゆき、ますます溝は深まってゆく。 そこでまりさは心の中に浮かんだ、とある計画を実行すべく動き始めるのだった。 ―――――――――――――――― 長まりさは自宅に幹部ちぇんと、一匹の一般層にいたれいむを呼び出していた。 「まりさ、だいじなおはなしってなに?」 「どうしてありすはよんじゃいけないの?わからないよー……?」 「ゆっ。それはほかでもないありすのことだからなんだぜ」 まりさは大胆にも、自分のお気に入りだった美ゆっくりのれいむを呼び出していた。 最初はちぇんからからかいじみた言葉が出たが、まりさの雰囲気はそんな軽いのりではない。 「はっきりきくのぜ、ちぇん、そしてれいむ。 あのありすはかんぶにふさわしいとおもうのぜ?」 「ゆっ!?」 「そ、それってまりさ!?」 「そうなのぜ。まりさはあのありすをこのままかんぶにしておくのはあぶないきがするのぜ」 長まりさは、あまりに凶行を繰り返すありすを見限る決断をしたのだ。 「で、でもありすは……!」 「わかっているのぜ。わかっているのぜ……」 ありすは群れ創設以来の功労者だ。 長まりさとて、何の迷いも無くありすを切り捨てることにしたわけではない。 ただ、それはありすに対して悪いとか、憐憫の思いがあるという意味とは違う。 「そのはなし、れいむはかんけいあるの?」 もっともな疑問をれいむが口にする。 「それは……れいむが、ありすのかわりにかんぶになってほしいのぜ!」 「ゆゆっ!?」 「わっ、わからないよー!?」 まりさの、最大のたくらみはそこだった。 自分のお気に入りのれいむとお近づきになりたい。 もとよりありすに対しては、友情はあっても愛情は無かった。 こちらの意思通りに動かなくなった以上、まりさにとってありすは邪魔者でしかなくなった。 これを機会にありすを排除し、れいむを自らの手中に収める。 少なくとも、まりさの中では完璧な計画となっていた。 「で、でも、ありすはなんにもわるいことしてないよー?」 この件の最大の懸念はそこである。 ありすは確かに掟ギリギリのことをしているが、掟破りはしていない。 要するに解任させる決定的な条件が無いのだ。 「ゆ!それもかんがえてあるのぜ!すべて、このさいっきょうっのまりささまにまかせるのぜ!」 ―――――――――――――――― 明朝一番に、群れには一つのお触れが発せられた。 本日、長より重大発表があると。 群れのゆっくりは若干の緊張と不信感を募らせている。 基本、全員の招集は新たな掟の制定の際に行われていたからだ。 できれば規制など無いほうがいい。 掟を増やすことは、どうしてもマイナスイメージが付きまとっていた。 そして集まった上流、一般、奴隷ゆっくりの前に長まりさが躍り出た。 次いで、幹部であるありすとちぇんがまりさの横に並ぶ。 「ゆ、ありす。ありすはまえなのぜ」 「え?そ、そう?」 ありすはまりさに促され、長まりさよりも少し前に移動した。 妙に注目を集めているせいで居心地が悪いありすはきょろきょろとまりさと地面に視線を泳がせた。 「きょうはみんなに、どーーーーーーーーーしてもそうだんしなければならないことがあるのぜ」 長の重々しい雰囲気に、一同に緊張が走る。 ただし、事前にこの召集の目的を聞かされているちぇんと、れいむと、一部の上流ゆっくりを除いてだが。 「まりさはまわりくどいのがきらいだからはっきりいうのぜ」 台詞と矛盾するが、回りくどく間を溜めながらまりさが言うと 看守ゆっくりの一部がありすの横に移動した。 「ゆ!?な、なに!?なんなのよ!?」 看守ゆっくりのフォーメーションは明らかに 犯罪ゆっくりや、奴隷ゆっくりを取り押さえる時のものだ。 「さいきん、このありすのぼうりょくのせいで どれいゆっくりがあつめるしょくりょうがへっているのぜ!」 「なにをいってるの!?あれはどれいが」 「ゆっくりだまってね!!」 「ゆぎゃ!あでぃずに……ごんなごどじて………」 「おさのはなしととちゅうみょん!だまってきくみょん!」 ありすは看守ゆっくりに取り押さえられ、法廷の被告のような状態にされる。 「ありすがいうには『おきてはやぶってない』そうなんだぜ? たしかに、どれいゆっくりにはいままでえいえんにゆっくりしたやつはいないのぜ!」 奴隷ゆっくりが抗議の声を上げようとするが、看守ゆっくりが睨みを利かせると押し黙るしかなくなる。 「だから、まりさはみんなにきこうとおもったのぜ! このありすを、このままかんぶにしておいていいのぜ!? おきてをやぶっていなければ、なにをしてもゆるされるとおもってるげすなのぜ!」 「な……ま、まりさ……」 「おとなしくしろっていってるみょん!」 「いだい!!ありずのおしりをぶったのは……いだっ!!やべなざい!!」 ありすは慌てる。 これまでも、そして他のゆっくりもギリギリのことはしてきた。 だからこそ、自分だけが制裁されるのはおかしいとか 仲間だったまりさが自分を見下していることが信じられないとか、様々な感情が渦巻く。 そして何より―――――― 「だからまりさは、このげすなありすをどれいゆっくりに『かくさげ』しようとおもうのぜ! みんな、どうおもうのぜ!?」 ――――――まりさが好きだったのに。 「ゆー!さいっていのありすはどれいにしていいよ!」 「まりさもさんせいだよ!ありすはさいきんとくにひどかったよ!」 「ちょ、あなたたち……!」 「むしろえいえんにゆっくりさせてもいいよ!!」 「とっとところしてね!!すぐでいいよ!!」 「まって、まちなさいよ………」 「「「しーね!しーね!しーね!しーね」」」 「まちなさいっていって……」 「おまえはだまってるみょん!」 「ぎゅびぃ……」 押さえつけられ、うめき声を発することしかできなくなるありす。 それでも叫ばずにはいられなかった。 ここで自分の意見を封殺されては、本当にまりさの言うとおりになってしまうから。 「ゆ!みんなのいいたいことはわかるのぜ! でも、やっぱりまりさはありすをころさないのぜ! こんなげすでも、はたらかせればむれのやくにたつのぜ!」 「まりさ!」 そんなありすを貶める言葉が飛び交う中、まりさが目をつけていたれいむが声を上げる。 「みんなはありすをえいえんにゆっくりさせてほしいっていってるよ! だから、どれいにするだけじゃありすのばつとしてはふさわしくないよ!」 「ゆ?ゆーむ……」 まりさは悩んでいるふりをする。 これも筋書きにあった提案だ。 少し間を溜めてから、まりさははっきりと言い放った。 「じゃあ、まりさとみんなのいけんのあいだをとって、ありすをどれいたちのどれいにするんだぜ!」 「ゆえええええええええええええ!!!!」 どの間をどうとればそうなるかは分からないが、その意見に全てのゆっくりが賛同した。 奴隷層からは特に強い賛成の声が上がる。 「ふざけないでっ……!ありすはっ……ありすはっ……!」 「いいかげんに……しろみょんっ!!!」 「びゅげぇ……!!」 ひときわ強く殴られたありすは中身を吐き出し、そこで意識を失った。 ―――――――――――――――― それから数日。 ありすは地獄よりもさらに深い地獄をさまよっていた。 「ほらほらっ!しまりがなくなってきたよ!」 「ゆげっ!ごがっ!あがっ!え゙っ!お゙っ……!!」 宿舎の中で奴隷ゆっくりに暴力を受け、犯され、罵倒されるだけの毎日。 少し前まで奴隷宿舎の頂点に居座っていたありすは、その最下層へと身を落としていた。 底部を丹念に傷つけられたありすはまともに行動できず 『えいえんにゆっくりさせてはいけない』という掟の下、ただただ苦しめられた。 食事は奴隷と自分のうんうんと我が子。 一歩も動くことが叶わないので狩りはしなくてすむが、完全に奴隷以下の玩具という現状。 死ぬよりも惨い仕打ちを受け、ただただ涙した。 「ほらほら!そろそろねないとあしたがつらいよ!」 「ゆぇ!?」 「ゆ、そ、そうだね!」 「まりさはもうねるよ……」 「ゆへ、ゆへへ……」 今や幹部となり、この奴隷宿舎の全てを切り盛りすることとなったれいむに注意され、寝床に着く一同。 看守に逆らったり狩りの収穫量が少なければ暴力を受ける身だが 自分たちよりも低いヒエラルキーにそのストレスをぶつけることができるようになった。 奴隷の間にも少しだが笑みがこぼれるようになり、反抗の減少、収穫量の増加につながっている。 奴隷たちが奥の寝床に引っ込んでゆくのを確認した幹部れいむは 宿舎の隅でぐったりしているありすに近づいて一言告げる。 「いまどんなきもち?」 「………!!!!」 ありすが血走った目でぎろりと睨み、今にも飛び掛らん勢いで身体をよじった。 「あっれぇ~!?どれいのどれいがはんこうてきなめをしてるよぉ~!?」 「っ!!!!!!ま、まっで………」 れいむが大げさにそう言うと、看守ゆっくりが集まってくる。 「へぇー?どれいのどれいがかんぶにたてつこうっていうんだぜ?」 「ゆぷぷぷ、これはきょうっいくっがたりてないしょうこだね!」 「ぢ……ぢがうの……あでぃずは……あでぃずは…………」 とっさに言い訳をしようと頭をフル回転させるありす。 そんなことをしていると、ちょうど宿舎の前を長まりさと幹部ちぇんが通りかかった。 「ま……までぃ……ざ…………」 「おさにきやすくこえをかけないでねこのくず!」 「ぶぎゃっ!!までぃざあああああああああああ!!! までぃざああああああああああ!!!! ごべんざないいいいいいいいいいいいい!!!!! あやまるがら!!!ごごろをいれがえまずがらゆるじでええええええええええ!!!!」 「だまれっていってるでしょ!!」 その言葉に反応したように長まりさは宿舎の入り口までやってくる。 ありすの縋るような目を一瞥したがしかし、れいむの方を見て言った。 「れいむ、きょうはまりさのいえでちぇんといっしょにしょくじするのぜ?」 「ゆっ!そうなの!いっしょにむーしゃむーしゃしようね!」 明るい顔で会話するれいむとまりさを見て、ありすの表情が歪む。 否定すらされなかった。 一緒に苦楽を共にした仲で、思いを寄せていたまりさに、ただのゴミのような扱いをされた。 「ゆへっ……!こいつしーしーもらしてるよ?」 「どれいいかのゆっくりだからねー!ちゃんとしーしーのしかたもおしえないと……ねっ!!」 「ぶぎゃあ!!!」 看守のちぇんの一撃を皮切りに、ありすが長まりさの名を出さなくなるまで暴行を受け 『ころして』と懇願するまでレイプが続いた。 ―――――――――――――――― 「ゆっくりできないんだぜ……」 そんな台詞を口にしたのは、一般層に住まう一匹のまりさだった。 「さいっきょうっのまりさをさしおいてなんであんなやつがおさに……」 このまりさは群れが成立する前後にこの集落を訪れたゆっくり。 優秀なぱちゅりーがいるという噂を耳にし 以前に所属していた群れを抜け出してきたのだ。 が、蓋を開けてみれば自分ではない他のまりさが長に就任していた。 しかも幹部はありすとちぇん。 どういうことだ。ここで長になっているのはぱちゅりーではなかったのか? 群れに住まうゆっくりにそのことを尋ねてみると皆、口を揃えて言った。 『ぱちゅりーはこのむれをみすてた』と。 なんだそれは。ふざけるなとまりさは憤慨した。 まりさの完璧な計画では、長に就任するぱちゅりーを抱き込み 自分がその実権を握って群れを支配してやる算段だったのだ。 ぱちゅりーがいないのでは現在の長を、と言いたいところだが 長のポストに納まっていたのはなんとまりさだったのだ。 不思議と、同じ種族では番になることのないゆっくり。 れいぱーでさえ同じありすを襲うことはないのだ。 長まりさを相手にまりさが篭絡作戦を取ることなど不可能だ。 結果このまりさは、ただの一般市民として生活することを強いられた。 別段、長という存在になり群れを良くしていくという考えはない。 まりさの中にあったのは、長として一般民と奴隷を見下してやりたいという支配欲と 同じまりさ種が自分より上の地位にいることが我慢ならなかっただけである。 しかしまりさは動かずに、いや動けずにいた。 群れの中で同じような考えを持っていたゆっくりはまりさ一匹ではない。 事実、長や幹部にたてついたゆっくりはいた。 失踪したぱちゅりー派や、ただのゲスゆっくりも含めてだ。 だがそいつらは何もなしえることなく今は奴隷宿舎に収監されている。 まりさが二の足を踏んでいるところに先駆者としてどうなるかを身をもって示してくれたのだ。 今のまりさがこうして一般市民をしていられるのは、彼らのおかげと、まりさの度胸のなさに起因する。 ただ一匹で反旗を翻したところで奴隷にされるだけ。 その後は一生奴隷宿舎での生活を強いられるだろう。 それくらいの慎重さは持ち合わせていたようだ。 「ゆぅ。なんとかするのぜ……なんとか……」 まりさはぶつぶつと独り言を言いながら、今日もまた燻っている。 ―――――――――――――――― まりさが燻り続けている間に、ある事件が起きた。 それは幹部ありすの失脚と一般層のれいむの昇進。 開いた口が塞がらなかった。 何で、何で無能なれいむなんかが幹部となり、自分が一般民のままなのだ。 抗議の声を上げたかったが、幹部となったれいむをどうこうすれば、奴隷化は免れないだろう。 しかし結果として、その事件はまりさの背中を後押しするものだった。 幹部だって失脚することがある。 そして一般民が昇進することもある。 その前例があるだけで、まりさを動かすきっかけになるには十分だった。 「いまにみてるんだぜ……」 まりさはまず最初に何をすべきか考える。 そうだ仲間だ! 奴らはいつもいつも、つるんで行動している。 こちらも相応の戦力をかき集めて まずは治安維持と称して一般民をいじめているあいつらを倒せばいいんだ! まりさは歩み始める。 自分が長になり、もっともっとゆっくりしてやる! さっそく、手近なゆっくりに声をかけた。 「みょん!ゆっくりきいてほしいんだぜ!」 「みょ?まりさ、なにかようみょん?」 最初に目に付いたのはみょんだった。 まりさの中では、れいむ、ありす、ぱちゅりーは役立たずという印象があった。 身体能力を基準としているので、それはある意味正しい。 「みょんは、さいきんのおさをみてどうおもうのぜ?」 「どういういみみょん?」 みょんは露骨に警戒を強める。 「まりさはおもうのぜ!あのまりさはおさに……」 「そこまでよ!」 まりさとみょんはその声にビクッとなる。 二匹が振り返ると同じく一般層のぱちゅりーがそこにいた。 「むきょきょきょ。はなしはきかせてもらったわ!」 「な、なんのことみょん!?みょんはかんけいないみょん!!」 「ぱちゅりーにようはないのぜ!とっととうせるのぜ!!」 「むっきょっきょっきょっきょ!」 ぱちゅりーは腹立たしい笑い方と表情をして言葉を続ける。 「あらそう?じゃあぱちぇはこのことをちぇんにほうこくしにいこうかしらねぇ~?」 「みょ!?」 「ぱ、ぱちゅりー!?」 この群れは掟に対してとても厳しい。 それは治安維持部隊にも言えることなので、掟破りと認定されない限り捕まることはないが こういった密告で監視されたり、言いがかりを付けられる回数が増えたりということは多かった。 反乱を企てるまりさとしては、それだけは避けねばならなかった。 「むきょ!だいじょうぶよまりさ、みょん! ちぇんにはだまっておいてあげるから! でもそうねぇ~、ぱちぇにもいちまいかませてもらおうかしら?」 「ゆぎぎ……」 選択の余地は無い。 ここでぱちゅりーを追い払ってしまうと幹部ちぇんにこのことを報告されてしまう。 監視が付いた中で反乱の準備を進めるというのは不可能だ。 しかし、まりさの安いプライドが邪魔をして『わかった』と即答できない。 「だいじょうぶよ!けんじゃのぱちぇのちえをかしてあげようというのだもの! このはんらんはかならずせいこうするわ!むきょきょ!」 が、ぱちゅりーの中では既にOKの返事をもらったことになっているらしい。 まりさはその態度が気に食わなかったが、結局はぱちゅりーを仲間にすることを決める。 「みょ、みょんはほんとうにかんけいないよ! はんらんなんてしたくないよ!やりたければまりさとぱちゅりーでやってね!」 「むきょきょきょきょきょ!!!これだからていのうはやくにたたないのよ!!! い~いみょん?ここでぱちぇが『みょんがはんらんをしようとしてるわぁ~』とさけんだら ど~おなるかしらぁ~?」 「みょ、みょ……」 「むきょきょ!じぶんのたちばというものがわかったようね! わかったらとっととなかまをあつめてくるのよ!すぐでいいわ!」 「みょおおおおおおおおん!?」 「ぱちゅりーはさしずしないでほしいんだぜ!! まあいいのぜ。どうせいまのおさにふまんがあるゆっくりなんてうじゃうじゃいるのぜ。 とっととなかまをあつめて、とっととまりさがおさになるのぜ!」 「むきょきょ!そのときはけんじゃのぱちぇがかんぶになってあげるわ!」 「かんがえておくのぜ……みょん!とっととなかまをあつめてくるのぜ!」 「みょおおおおおおおおおおおおお……!!!!」 ―――――――――――――――― その日の夕方。 反逆のまりさの物語は終わってしまった。 「まりさをうらぎったなぁぁぁぁぁあああああ!!!!」 「むきょおおおおおおおお!!!けんじゃのぱちぇにさわるなていのうどもおおおおお!!!!」 「おとなしくしてね!!」 「つれていくよ!!」 「びゅべ!!」 「いだっ!!いだい!!やべなざい!!!」 幹部ちぇん率いる治安維持部隊に連行されるまりさとぱちゅりーを例のみょんが無表情で見ていた。 ぱちゅりーがどうこうする前に、みょんによって反乱の作戦を密告された二匹。 火薬は、発火することなく火種を消されてしまったのだ。 「まつのぜ!!」 「ゆっ!?」 「ゆゆっ!?」 その逮捕現場に現れたのは長まりさだった。 「おまえがああああああああああ!!!! おまえがいるからあああああああああああ!!!!」 「だまってねー!!」 「いだい!!ぎゅぶっ!!!」 たちまち敵愾心をむき出しにするまりさだが、幹部ちぇんによって押さえ込まれてしまう。 「ひとつききたいのぜ。そいつはおきてやぶりをしたのぜ?」 「わ、わからないよー?でも、まりさははんらんを……」 「たしかにはんらんをおこされるのはこまるのぜ。 でも、そいつらは『まだなにもしてない』のぜ」 その場にいた一同が言われてみれば確かに……みたいな表情をする。 まりさが最初に仲間にしようとした相手が戦いを嫌うみょんだったことや ぱちゅりーがたびたびみょんを脅したはいいが、しっかり首輪をつけなかったことなど あまりにザルな計画ゆえに、何もできなかったのだ。 「おきてやぶりはせいっさいっされてとうぜんなのぜ。 だけどおきてやぶりをしてないゆっくりをせいっさいっすることなどゆるされないのぜ」 「だ、だけどだけど……」 「くどいのぜ!こんどのじけんはみょんのおかげでなにもおきなかったのぜ! だからそいつらをたいほするのはおかどちがいなのぜ!」 「わ、わからないよー……」 「はなしなさい!!」 「ゆあっ!!」 ぱちゅりーが幹部ちぇんを払いのけた。 咄嗟にもう一度捕まえようとするが、ちぇんに 周囲の非難がましい視線が突き刺さっていることに気付き、動きを止める。 「ここにいるゆっくりはだれもおきてやぶりをしてないのぜ。 だからとっととじぶんたちのしごとにもどるのぜ!いいのぜ!?」 長まりさが強く言うとギャラリーやまりさ、ぱちゅりーもそそくさとその場を離れていった。 治安維持部隊もバツが悪そうに去って行く。 幹部ちぇんの中に、一つの問題を残して。 ―――――――――――――――― その事件はすぐに群れ中のゆっくりに知れ渡ることとなった。 なんだ、掟破りをしなければ大丈夫なんだ、と。 結果として、治安維持部隊のパトロールは若干ゆるくなる。 はっきりとした掟破りを見つけない限り、強く出ることができなくなったからだ。 特に責任者であり、あの場で最後まで食い下がった幹部ちぇんは素でなめられるようになった。 「れいむはただゆっくりしてるだけだよ!」 「なんにもわるいことしてないよ!はやくあっちにいってね!」 「わから……ゆぎぎ………!」 この調子である。 逆に長まりさの悪評は、当初に比べて減少する一方だった。 あのまりさは、結構まともに長をやれてるじゃないか。 奴隷ゆっくりの扱いはちょっとひどいけど、永遠にゆっくりさせてないし。 そもそも奴隷は皆、掟破りをした犯罪ゆっくりだし。 幹部ちぇんへの叱責や、幹部ありすの降格など、身内に大しても公平。 最早群れの中で、長としてのまりさを非難する材料は殆ど無かった。 ――――第四章 はおうとじんくん―――― 「ゆ?ちかくにむれがあるのぜ?」 「れいむはそうきいたよ」 長まりさと幹部れいむは自宅で食事をしている。 幹部ちぇんとはだいぶ疎遠となり、ギクシャクした関係が続いていたが まりさはれいむとツーショットであることの方が嬉しかったので、特に気にせずにいた。 「むれ……まえはこのちかくにむれなんてなかったのぜ」 「むーしゃむーしゃ、でも、かりにいったどれいがたくさんのゆっくりをみたっていってたよ」 「むーしゃむーしゃ、ゆーん……」 そもそもこの群れは、このあたりに群れがなかったから ぱちゅりーを中心にゆっくりが集まっていったというのがきっかけで生まれたのだ。 この期に及んでぱちゅりーのことを思い出したまりさは少しイラッとした。 「むれがあるかどうかのかくにんを、どれいにまかせるわけにもいかないし……」 奴隷ゆっくりは、行く当てがないことが最大の鎖となっているのだ。 お飾りを傷つけられたことで、普通のゆっくりには侮蔑される。 だからこそ無法地帯の群れの外よりも 曲がりなりにも生きていけるこの群れに留まる他ないというシステムである。 奴隷が遭遇したゆっくりに殺されては調査にならないし まかり間違って群れに拾われて亡命でもされてしまえばそれはそれで情報が帰ってこない。 「まりさがちょくせついきたいけど、おさがむれをながくあけるわけにもいかないのぜ」 「だったら、ちぇんにいかせたらどうかな?」 「ゆ?」 まりさはこの場に姿を見せなくなっていたちぇんのことを失念していた。 「ゆ!そうなんだぜ!ちぇんはあしがはやいからちょうどいいのぜ!」 「あ、でも、ぱとろーるのほうはどうするの?」 「それこそまりさがやればいいんだぜ。いつものことなのぜ」 「ゆ!そっか!」 問題の解決をみた二匹は、さっぱりした表情で会食を続けた。 ―――――――――――――――― 「と、いうわけでちぇん。ちょうさをたのむのぜ」 「……わかったよー」 若干投げやりな返答を返す幹部ちぇん。 長まりさとの間にできた軋轢は今も元には戻っていなかった。 「ちぇん!これはじゅうようなしごとなのぜ! そんなやるきのないことではつとまらないのぜ!」 「だったらちぇんにやらせないでほしんだよー……」 「ちぇん!!!」 「わかった、わかったよー。おおごえをださないでねー」 長まりさの人気に反比例し、幹部ちぇんの評判は下がる一方だった。 元々治安維持など皆に好かれるような仕事ではない。 以前に好き勝手振舞っていたこともあり、ちぇんは群れで孤立しつつあった。 例の反乱未遂事件から、新しい掟破りが出なかったのは幸か不幸か。 「どれいがたくさんのゆっくりをみたのはあっちのかわったもようのきがはえてるほうこうなんだぜ。 ちぇんは、とりあえずいけるところまでいって、ゆっくりがいなかったかみてくるだけでいいんだぜ」 「わかったよー」 ちぇんは嫌々ながらも、調査に出発するのだった。 ―――――――――――――――― ちぇんは群れの外で、教えられた方向に向かって跳ねていた。 「まりさ……」 出会ってから、どれくらいだろう。 ありすとまりさ。 仲良くなったきっかけはもう思い出せない。 だけど、今も仲良くやっているということは絶対にない。 ありすは、使い捨てられた。 ちぇんは、まず最初にそれが納得できなかった。 確かにありすの素行は悪かったかもしれない。 しかし、その結果、あんな状態にするようなものだったのだろうか。 『どれいのどれい』。まりさはそう言った。 それは本当に、友達と思っていた者に対する仕打ちなんだろうか。 自分も、悪いことをすれば奴隷宿舎に容赦なく放り込まれるのだろうか。 ほんの少しでも、情けをかけるという選択肢は無かったのか。 「わからないよー……」 それに、自分も途中までは気付かなかったのだが ありすは、まりさのことが好きだったんじゃないのだろうか。 まりさには、感情というものがないのか。 ただ、是か非かの選択だけで生きているのだろうか。 ちぇんは、なまじまりさと仲良くしたいと思っていたが故に まりさの仕打ちが、一種の裏切り行為のように思えてならなかった。 そして最後に思う。 まりさは、本当に長にふさわしいゆっくりだったのだろうか。 ―――――――――――――――― 日が高くなった頃。 「べつに、だれもいないんだねー……」 休み休みとはいえ、朝からずっと走り続けても誰とも会うことは無かった。 そう言えばまりさは言っていた。これは奴隷から聞いた話だと。 それを思い出したちぇんは無性に腹が立った。 なんだ、ちぇんやありすにはあんなことしたくせに 奴隷の言うことは無条件に信じるのか。 「かえろう」 ちぇんが身を翻したその瞬間だった。 「ゆ?みかけないゆっくりがいるよ!」 「えっ……?」 「ゆっくりしていってね!!!」 「ゆ、ゆっくりしていってね?」 ―――――――――――――――― ちぇんは、一匹のまりさに案内されながら道すがら事情を聞いていた。 「ゆーう、じゃあちぇんのいたほうにむれがあるんだね!」 「そうだよ。むれができてからだいぶたつけど、しらなかったの?」 「まりさはこのあたりでうまれたゆっくりだよ! だからあんまりとおくへいったことがないんだよ!」 「わかったよー」 このまりさは狩りこそしているものの、さほど活動的な性格ではなかったようだ。 「まりさはそっちのむれにいるの?」 「ゆぅ。ちょっとちがうよ」 「ちがう?」 「たしかにまりさのおうちのまわりにはたくさんのゆっくりがいるよ。 でも、まだおさがいないんだよ」 「え…」 どこかで聞いた話だった。 「そ、そのむれに、おさはいないの?」 「ゆーう。まりさはぱちゅりーがおさになってくれればいいとおもってるんだけど なんか『おさはゆっくりできないわあああ』っていってやってくれないんだよ」 「わ、わかるよー……」 「ゆ?ちぇんはぱちゅりーのことがわかるの?」 「わかるよー……わからないけど、わかるよー……」 「ゆぅぅ???」 能天気なまりさはちぇんの言うことが理解できず、困惑した。 ―――――――――――――――― 「あいかわらず、おおきなおうちにすんでるんだねー……」 まりさと別れ、ぱちゅりーの自宅と思しき『おうち』にたどり着く。 言われなくても分かった。 このあたりで最も大きく立派な家。 ちぇんが、居住者に話をするため声をかけようとしたそのときだった。 「わきゃりゅよー!」 「ゆひゃ!!」 『おうち』から飛び出してきたのは一匹の子ちぇんだった。 ちぇんの横を通り過ぎてゆく。 「むきゅううう!!おとなしくしないとだめじゃないのおおおおお!!!」 続いて出てきたのはぱちゅりーだった。 どうも先ほどの子ちぇんの親らしい。 「むきゅ?」 「ひさしぶり……なんだねー……」 「むきょ……むきょ………」 「あいかわらずなんだねー。どうしてこんなことしてるの? わからないよー……」 「むきょわあああああああああああああ!!!!!!」 かつて険悪な仲であったまりさの腰巾着であったちぇん。 その偶然の再会にぱちゅりーは絶叫した。 対してちぇんは、むしろやっぱりという状態で冷静だった。 ―――――――――――――――― 「やっぱりまりさはおさになったのね」 「そうなんだよー……」 ぱちゅりーの自宅で、ちぇんはかつて敵であったぱちゅりーと話をしている。 「むっきゅんむっきゅん。おかーしゃん、あんまりゆっくりしてないちぇんね」 「むきゅ!?しつれいなこといわないの!」 「べつにいいんだよー。おちびちゃんのいうことだからねー」 そう、敵であったのはかつての話だ。 今は敵対する理由もないし、むしろ向こうの群れではたびたび名が出てきたので ちぇんにとってはさほど久しぶりという感じはせず、不思議な気分だった。 「そういえば、ちぇんはなにしにここにきたの? かんぶになったんでしょ?」 「……ちぇんは、まりさにいわれてむれがあるかさがしにきたんだよー。 でも、ぱちゅりーは」 「む、むきゅ!?ぱ、ぱちぇはおさじゃないわよ!?」 「わかってるよー……。ぱちゅりーはぜったいにおさにならないんだねー……」 「むっきゅん……」 ぱちゅりーは長同士会談の場を設けよう、などと切り出されるのではないかと狼狽した。 しかし、ちぇんにはそういうつもりがないことが分かり、胸をなで下ろす。 「まりさはげんき?」 「………。げんき、だよー」 「むきゅ?そういうちぇんはさっきからあまりげんきがなさそうね」 「いろいろあったんだよー……」 「……?」 ぱちゅりーが首をかしげ、間が空いた時だった。 「ちぇん!!まりさのちぇんがなんのようなの!?」 「え?」 「む、むきゅ!!ちぇん!だいじょうぶよ!だいじょうぶだから!!」 「ぱちゅりーはちぇんがまもるよー!!!」 ―――――――――――――――― 「ごめんねだよ、ちぇん……」 「むっきゅ!いきなりらんぼうするのはいけないわ!」 「いいよぱちゅりー。ちぇんはきにしてないから」 かつての敵対者であった幹部ちぇんが自宅にいれば驚くのも無理は無い。 一悶着あったが、子供がいることと、ぱちゅりーがなだめたことで何とか場は落ち着いた。 「おとーしゃん!おとーしゃんとこのちぇんはどっちのほうがはやいのー?」 「わからないよー。ちぇん(自分)もはやいけど、ちぇん(幹部)もはやいとおもうよー」 ぱちゅりーは子供を連れて奥へ入っているようにちぇんにすすめた。 最初は、敵対していたちぇんと一対一にすることを危険だと言ったが ぱちゅりーは決して折れなかった。 最終的には、子供たちを放っておくのはよくないと言う意見で なんとかちぇんも納得した。 「そういえばぱちゅりー、ちぇんといっしょになったんだねー」 「むきゅきゅ。なんだかんだでうまがあってね」 かつてはぱちゅりーだけに注目していたため断言はできないが あのちぇんと特別仲が良かったような記憶は無い。 「ちょっとはなしがながくなりすぎたわね。 きょうはとまっていくかしら?」 「……いいの?」 「だいじょうぶよ。ちぇんいっかいぶんのごはんさんくらいはあるから」 「そ、そういうことじゃなくて……」 「それに、このままちぇんをおいだしたりしたら おさまりさになにをされるかわからないしね、むきゅきゅ」 「ちぇんたちはそんなこと……!」 言い返そうとして、ハタと気付いた。 確かに、どうだろう。 かつての自分達なら間違いなくぱちゅりーの命を狙っただろう。 だが、今ならどうだ? 少なくとも自分は、戦争だ何だという話になれば反対するだろう。 まりさは、無条件にこの集落に群れの戦力を持って戦争を仕掛けたりするだろうか? いや、しないはずだ。 今のまりさは正しいことと間違ったことをきちんと考えて判断できる。 そう、変わったのだ。自分も、まりさも。 ただの一ゆっくりとして悠々自適に暮らしていた自分たちと 長と、幹部という立場に立たされた自分は違う。 だがありすは変わらなかった。 幹部という地位を得たことで成長せず、ただの一ゆっくりのままでいたから あんな状態まで身を落としていったのかもしれない。 「どうしたの?ちぇん?」 「ゆっ!?」 ぱちゅりーに顔を覗き込まれて思わずビクッとなってしまうちぇん。 そうだ。まずい。 まりさは変わった。 しかし、ここにあの憎きぱちゅりーがいると知ればどうなるのか? 昔の敵愾心を取り戻し、私怨での戦いを仕掛けてしまうのではないだろうか? 駄目だ。それを許してはいけない。 今、この集落にぱちゅりーがいることをまりさに知られてはいけない! 「ほんとにだいじょうぶ?げんきがないならもうなんにちかやんすでいく?」 「ゆっ!?い、いいよ!!ちぇんはきゅうようができたよ!!かえらないと……」 「むきゅ!?なにいってるの!?もうすぐひがおちるわよ!! むれまでどれほどのきょりがあるかしらないけど、でていくのはぱちゅりーがゆるさないわ!!」 「でも……でも………」 「なにをあせっているのかしらないけど、だめ。 いまいそいでかえったら、その『きゅうよう』とやらもはたせなくなるわよ」 「わ、わかったよー……」 ちぇんはなんとか落ち着きを取り戻したが その日、食事をしても、談笑しても、逸る気持ちを抑えることはできず 日没後も早く朝にならないかと、なかなか眠ることができなかった。 ―――――――――――――――― 翌朝、ちぇんはぱちゅりー一家に見送られていた。 「じゃあね、ちぇん」 「ゆっくりしていってね!」 「「「ゆっきゅりちてってにぇ!!」」」 「ゆっくりしていってねー!」 ちぇんは慌ただしく集落を去る。 一晩中、自分がどうするべきかを考えた。 最初は群れなんて無かったと報告してしまおうと思った。 それでは一時しのぎにしかならない。 それに、虚偽の報告をしたことがばれるのは拙い。 次はぱちゅりーにそれとなく群れを出て行ってもらうよう説得することを考えた。 それは無理だ。 以前のぱちゅりーと違い、今はちぇんとその家族がいる。 一人で抜け出すならまだしも、身体の弱い赤ゆっくり達含み 子ぱちゅりーを連れての引越しなど不可能に近い。 できるできない以前にぱちゅりーが納得しないだろう。 最後に、ぱちゅりーにいっそ全てを話してしまおうとも思った。 本当のところ、話す直前まではもっていったのだ。 だが、言い出せなかった。 ぱちゅりーが子をなし、幸せを享受しているのを見て それを壊すようなことを言い出すことができなかった。 本当は、最悪の事態を回避するためにはぱちゅりーに言うべきだったのだが。 ちぇんは、決断することができなかった。 選択することから逃げた。 そうだ。ぱちゅりーがどうなったところで知ったことか。 戦争が起きたからって知ったことか。 幹部のちぇんは、群れの幹部として、ゆっくりしてやる。 そう開き直ったちぇんは、事実をありのままに報告することに決めた。 長が、戦いを望んだならそれでいい。 もしそれで群れが多大な被害を受けたところでそれは長の責任だ。 ちぇんは悪くない。 むしろきちんと仕事をし、虚偽を交えずに正しい報告をした優秀なゆっくりだ。 あくどい笑みを浮かべて自分の群れへ走るちぇんの目は、少しだけ赤くなっていた。 ―――――――――――――――― まりさは自宅で悩んでいた。 ちぇんの報告によればこうだ。 1.集落はあった。 2.失踪したぱちゅりーが住んでいた。 3.長が不在である。 4.故に、どういう性格の群れになるか未知数である。 以上。 「ゆーん……」 ちぇんにとっては少々意外だったが まりさはぱちゅりーの名を出しても感情的にはならなかった。 しかし実のところ、まりさは開戦する気満々である。 曰く、その集落は危険である。 まりさの下した判断だった。 そしてもう一つ、まりさが悩んでいるのはそちらの問題だった。 ――――このまま、ぱちゅりーを生かしておくのは拙い。 そのことを聞いたちぇんは涼しい顔をしていた。 わかったよーと冷めた口調で言うと自宅へと帰っていった。 ちぇんは、変わったのだ。 まりさの友達から、ただの長と幹部の関係へと。 それはぱちゅりーに対しても同じ。 どうなったところで知ったことか。 ちぇんは全てに対して投げやりになっている。 考えることを放棄したからだ。 そんなちぇんの考えなど露知らず、まりさは最終的な決定を下す。 「まりさは、せんっそうっするんだぜ!!!」 ―――――――――――――――― 次の日早速、開戦については群れのお触れとして話された。 「あいてのむれは!まだむれのかたちをしてないんだぜ! だから、いまのこうきをのがすてはないのぜ! そしてよりにもよって、こちらのむれのことをみすてたあのぱちゅりーが あちらのむれにすんでいるんだぜ!」 長まりさはあえて例のぱちゅりーの名を出した。 今の一般層では、ぱちゅりーよりも長まりさの人気が上回っていた。 まりさの治世に満足している一般層にとってのぱちゅりーは 群れの誕生の時、無用な混乱をもたらした諸悪の根源という風潮が強い。 「それに、おさのいないむれなんてむれじゃないんだぜ! おきてもない!たくわえもない!なにもない! まりさのむれのゆっくりよりかずもすくない! そんなむれのれんちゅうなんて、いくらでもころしてかまわないのぜ! いのちごいするやつだけたすけて、どれいにしてやればいいのぜ! いまのどれいゆっくり! これからつかまえるどれいはぜんぶどれいのどれいなのぜ! たくさんつかまえればすこしはゆっくりさせてやってもいいのぜ! おかざりをきずつけるなんていわず! そいつらのめのまえでびりびりにやぶりすててやればいいのぜ!」 一般層、奴隷、上流。 全てのゆっくりが気炎を上げる。 この群れに、怠惰なゆっくりは少ない。 掟が厳しいから? 環境がいいから? 犯罪ゆっくりが奴隷化されるから? 否、そうではない。 長となったまりさの、そのアグレッシブな気質に 全てのゆっくりが引っ張られているからだ。 長の自宅の前でゆっくりを率いるまりさは『覇王』となるべく道を歩み始めた。 ―――――――――――――――― 「ぱちゅりー、やっぱりいっちゃったみたいだよ」 「むきゅう……だめだったのね……」 「おかーしゃん、どうしたの?」 「なんでもないのよー……」 「むきゅきゅ!」 ぱちゅりーとちぇんの夫妻は、自宅で気落ちしていた。 「どうして、こうなっちゃうんだよー。 わからないよー……」 「むっきゅん。ぱちぇはわかるわ」 「わかるの?おしえてほしいよー」 「ぱちぇたちは、ゆっくりなのよ。 だからこうなっちゃうのよ」 「わかりたくないよー……」 「しかたないわ。もう、ぱちぇも、みんなも……」 ―――――――――――――――― 長まりさは、開戦の日を二日後と定めた。 さすがに宣言してその日に開戦というのは無理があったからだ。 だが、その判断は結果的に間違いだった。 「わっわがらないよおおおおおおおおお!!!!」 「なにごとなのぜ!?」 「わがらない!!わがらないよおおおお!!!!」 「おちつくのぜちぇん!!なにがあったか、はっきりいうのぜ!!」 「ちぇんたちのむれのゆっくりがおそわれてるよー!!!!」 ―――――――――――――――― 「じねええええええええ!!!!」 「んほ!!んほ!!んほおおおおおお!!!! ありすにすっきりされたいゆっくりはだれかしらあああああああ!!!」 「でいぶおうぢがえるうううううう!!!!」 「おまえなんかにやられないみょん!!!」 「まりささまのけんでころしてやるのぜええええええええ!!!」 集落の広場は、血戦場と化していた。 戦闘員と非戦闘員の振り分けもままならず 個々に迎撃に当たっているまりさの群れのゆっくり達は少しずつだが押されていた。 「みんなおちつくのぜ!!!きいてるかなのぜ!!!おちつくのぜ!!! みんなまりさのもとにあつまるのぜ!!!!」 戦場に出た長まりさは間断なく集まれ、集まれと叫び続ける。 その言葉に、長のまりさが何とかしてくれると思い込んだ集落のゆっくりが 確実に集結していった。 非戦闘員は長まりさの横を通り過ぎてゆく。 戦闘員はまりさの指示を仰ごうと集まってくる。 特別な工夫は無い、ただの密集戦法だ。 「みんな!!あつまってたたかうのぜ!!!あんなくずどもにまりさたちはまけないのぜ!!! がんばるのぜ!!!しにたくなかったらたたかうのぜ!!!」 ゆっくりの戦いは文字通りのぶつかり合い。 奇襲の影響でバラバラに各個撃破され、劣勢を強いられたまりさの群れだが 固まって戦うことで防御力が飛躍的に伸びていた。 陣形とも呼べないつたない戦法だが ただ適当に向かってくるだけの敵に対しては十分な効果がある。 「みょん!?えださんがおれたのぜ!?まりさのをつかうのぜ!」 「だいじょうぶだみょん!『はくろーけん』がなくってもこんなやつらにまけないみょん!」 「ちぇん!あぶないのぜ!」 「だいじょうぶだよー!」 そして何より、味方がすぐ近くにいるのは心強い。 自然、見知った仲のゆっくりがチームとなって戦うことで士気を保っていた。 「みんな!ぶじなのぜ!!」 「れいむはだいじょうぶだよ!!」 「まりさだって!!」 「じゃあさいごに、しょあくのこんげんをしまつしにいくんだぜ!!」 「ゆっゆっおおおおおおおお!!!!」 ―――――――――――――――― 「まちなさい!!けんじゃのぱちぇをおいてどこへいくき!!!」 群れのあった場所から程近く。 敵本陣……ではなく、勝利の報告を待ってのんきに食事をしていたぱちゅりーがいた。 「ばりざおうぢがえるううううううう!!!」 「どぼじでごんなごどにいいいいいいい!!!」 「むきょおおおおおおおお!!! どぼじでどいづもごいづもやぐだだずなのおおおおおおお!!!???」 この戦争を吹っかけたのは 例の群れで長候補ではなかった自称『もりのけんじゃ』のぱちゅりーだった。 ぱちゅりーに同調したわけではない、ただ自分の欲求の代弁者についてきていただけのゆっくりに リーダーを守るという考えなどなく、劣勢と見るや否や皆散り散りに逃げ去っている。 「けんじゃのぱちぇの『さくっせんっ』にまちがいはないのよおおおおお!!!! ぜったいにかてるからたたかってこいこのぐずどもおおおおおおおお!!!!」 ある種当然だが、ぱちゅりーの指示に作戦などという物は一片たりとも含まれてはいなかった。 ただ戦って、勝ってこい。そう指示しただけで何の工夫も無い。 加えて、あの集落からぱちゅりーについてきたゆっくりは 自分さえ得をすればそれで良いというゲスか、ゲス寸前のゆっくりの集まりなので 死力を尽くして戦うといった殊勝な心がけは無い。 前線に積極的に出たのは、最強という妄想に取り付かれた勘違いまりさや 適当に味方にまぎれて武勲を横取りしてやろうと目論んだ戦う気の無いみょんが中心である。 「さあ、あくのおやだまがいたのぜ!!」 「むっきょおおおおおお!!!???」 戦線を押し戻す、どころか押し切ってしまった長まりさ達はリーダーぱちゅりーの前に集団で現れた。 「おさ!さっさとそのぐずをころしてね!!」 「すぐでいいよ!!!」 「そいつはどれいにするかちもないよ!!!」 「わかってるのぜ」 怒りに震えるせいでかえって冷静な長まりさは静かにぱちゅりーの前に踊り出る。 「む、むきょ!?ぱ、ぱちぇはだまされてたのよ! げすなまりさがこのむれにいれてもらおうってぱちぇをつれだしておいて かってにせんっそうっをはじめたのよ!! そ、そうよ!ぱちぇはわるくないわ!!わるいのはにげたまりさよ!! いまからおえばつかまえられるから、ぱちぇをたすけてあんないさせなさい!!」 「…………」 まりさは何も言わなかった。 ぱちゅりーはその沈黙をいい方向にとる。 「む、むきゅ!しゅぼうしゃのまりさはあっちにむかったわ! いまからおいかければまだまにあうわ!!はやくいきましょう……ぶげぇ!!!」 ぱちゅりーがまりさから目線を外した瞬間に、木の枝を後頭部から眉間に向かって刺した。 中枢を外しているため、絶命はしていない。 「どぼ……じで…………」 「みんな!こいつはどれいにするかちもないのぜ!! だけどらくにころしてはいけないのぜ!! こいつはこのまま、むれのあきやにおいておくから、みんなのすきにするのぜ!!」 「「「ゆー!」」」 「ただし、こいつにたいしてはおきてはむししていいのぜ! みんなでこらしめてから、まんぞくしたらえいえんにゆっくりさせてもいいのぜ!! ただし、できるかぎりくるしめてやるのぜ! こいつに、こんなことをしたことを、かならずこうかいさせてやるのぜ!!」 「「「ゆおー!!!!」」」 ―――――――――――――――― 戦闘が終わって、群れの片付けが始められた。 まりさの宣言どおり、戦争の首謀者であるぱちゅりーは空き家に放り込まれ 戦災孤児や、番を失ったゆっくりの嬲り者にされている。 「ゆ、おさどこへいくの?」 集落の外へ死体を運び出していたれいむに呼び止められる。 「ちょっと、ようじができたのぜ。ついでにかりもしてくるからまってるのぜ」 「ゆ?そうなの?いってらっしゃい!」 「ああ、いってくるのぜ……」 本当は長は税収で食事をとっているので狩りなどする必要など無いのだが 一般層のれいむにはそれがおかしいことに気付けず、そのまま長を見送った。 ――――最終章 おさはゆっくりできない―――― 「また、にげるのぜ?」 「むきゅ!?」「ゆっ!?」「ゆゆぅ!?」 長まりさは、とある番と対面していた。 「まりさ……!」 「ぱちゅりーはちぇんがまもるよー!!」 「ゆぁぁぁ………!!」 「こわいよぉぉぉ………!!」 ぱちゅりーとちぇんの一家は、例の群れを離れて移動をしていた。 それに追いついたまりさは木の枝をくわえて一家を威嚇する。 明らかな戦闘体勢に緊張が走る。 その状態のまままりさが静かに口を開く。 「おまえだけは……おまえだけはゆるさないのぜ……」 その言葉を若干予想していたちぇんが、すかさず反論する。 「ちがうよ!あのたたかいにぱちゅりーはかんけいないよ! いいがかりをつけないで」 「ふざけるんじゃないのぜっ!!!!!」 「ゆぴっ!!」「ゆひぃぃぃ!!」 先程とは対照的に、大声で叫ぶまりさ。 子供達は恐怖のあまり、おそろしーしーを漏らしてしまう。 「たたかいがおきたのもっ!!! たくさんのゆっくりがしんだのもっ!!! ぜんぶおまえのせいなのぜ!!!!」 「ちがうよ!!ぱちゅりーはへいわをねがって」 「そんなことはわかってるのぜっ!!!!!」 あまりと言えばあまりの言い分に、ちぇんもぱちゅりーも呆気にとられる。 このまりさは、いったい何に対して怒っているのだろうか? それに対し、まりさの本気の想いに感化されたぱちゅりーは口を開いた。 「ぱちぇはただ、ゆっくりしたかっただけなの。 どうしてそんなにあらそおうとするの? みんなでゆっくりできたらそれでいいじゃない! ゆっくりのむれに、おさなんていらないのよ! つよいゆっくりがいて!かしこいゆっくりがいて! みんなびょうどうになかよくゆっくりすることがどうしていけないの!? ぱちぇはおさになんてなりたくなかった! どうしてみんなそれをおしつけるの!? たすけがほしければいつでもたすけるわよ! ぱちぇがおさにふさわしいって、ようするにいやなことをおしつけたいだけでしょ!? みんなかってよ!!だからぱちぇもかってにするのよ!! みんなのやっているとおり、ぱちぇがすきにゆっくりしてなにがわるいのよ!!!!!」 ぱちゅりーは抱え込んでいたものをまりさに吐き出した。 しかし、まりさはそんな悲痛な叫びを鼻で笑った。 「なにがおかしいのよ!!」 「ぱちゅりー、ちぇんいがいのゆっくりのことほんとうにたいせつにおもってるのぜ?」 「むきゅ……!?」 「ぱちゅりーは、ほかのゆっくりのことをみくだしてるのぜ!」 「そ、そんなことは……!」 「じゃあなんで『たすける』なんていうのぜ? ぱちゅりーはやさしいふりして ほかのゆっくりをゆっくりさせてやってまんぞくしてるだけなのぜ!」 「ちがうわ!!」 「ちがわないのぜ!!!たすけられたら、またたよってしまうのはとうぜんなのぜ!!! たすけてたすけてたすけて……いちばんじゅうようなときにみすてるのぜ!!! いっしょうめんどうみるきがないなら!たすけるひつようなんてないのぜ!!! ぱちゅりーはやさしくするなんていうけど、それはただのあまえなのぜ!!! じりきでゆっくりできないゆっくりなんていきているかちないのぜ!!! いっしょうおちびちゃんやっていられればくろうしないのぜ!!! そんなやつらがほかのゆっくりをゆっくりさせてやることなんてできないのぜ!!! おまえはそうやって、じりきでゆっくりできるゆっくりすらだめにするのぜ!!! あのむれがむのうなゆっくりにしはいされたのはとうぜんなのぜ!!! おまえがすべてのゆっくりをなにもできないおちびちゃんにかえたせいなのぜ!!! おさになるきがないなら!!!さいしょからじぶんだけでいきていればいいのぜ!!!!!」 ぜぇぜぇと荒い息をしながら話を終える。 ぱちゅりーは、大きなショックを受けていた。 自分は皆に優しく生きて。皆に好かれて。 自分は正しい行いをしているものだと思っていた。 なのに。 「まりさのはなしはわかったよー」 ちぇんが二匹の考えを遮るように言う。 「だけどぱちゅりーをころさせるわけにはいかないよ。 ちぇんはばかだからどっちがただしいなんてわからないよー。 でも、いのちをねらわれたらていこうするのはとうぜんだよ。わかってねー」 「……おまえがいいしょうこなのぜ。 ぱちゅりーはともかく、ちぇんがぜんりょくでにげれば まりさはおいつけないかもしれないのぜ」 「まりさ……!」 「ちぇんはそれでいいよー。 まりさのいうとおり、ぱちゅりーはいっしょう、ちぇんといきてくれるからねー」 まりさが木の枝を構えなおす。 「ぱちゅりーをいかしておいたら、またろくでもないむれができるんだぜ。 そんなげすをつくりだすぱちゅりーをみのがすほど まりさはおろかじゃないんだぜ」 「……ちぇんは、ひとつだけごかいしてたよー。 まりさは、りっぱなおさになってるよー」 「ほめたからっててごころはくわえないのぜ」 「わかってるよー」 西日の差し込むとある森林で、道を違えたゆっくりが殺しあう。 それは、ゆっくりにとって日常茶飯事に見られる光景。 自身の中身をその場に散らしたのはどちらなのか。 飛び散ったそれは逢魔が時に彩られ、血のように、赤く見えた。
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関東にあるフィールドを紹介します。 あまりにも数が多いので サバゲーる様、トイガンJP様にて 検索した方が早いです… アウトドア デザートストーム川越 http //www.desertstorm-kawagoe.com/ (埼玉県川越市) 営業時間 昼間9 00~17 00、夜間19 00~0 00 定休日 不定期 利用料金 平日 1人3,000円 土日祝日 1人4,000円 夜間 1人2,500円(+全員で照明費2,500円) グランドスラム http //www.be-max.co.jp/ (茨城県潮来市) 営業時間 9 00~(24時間営業) 定休日 特になし 利用料金 平日 全員で5,000円 土日祝日 全員で15,000円 (土日祝日に30人参加ならば1人500円でOK) さがみ湖リゾート プレジャーフォレスト(SPF GAME FIELD) http //www.lodestone.co.jp/index.html (神奈川県相模原市) 営業時間 9 30~16 30(土日祝日・平日夏季9 00~17 00 定休日 毎週木曜日 ※細かく設定されているため、ホームページで要確認 利用料金 入園料1,000円+フィールド料金2,000円 インドア 埼玉トリガートーク http //trigger-talk.com/index.html (埼玉県入間郡三芳町) 営業時間 10 00~22 00 定休日 毎月 第一火曜日・第三火曜日 利用料金 細かく設定されているため、ホームページで要確認 スプラッシュ(バトル・レンジ) http //splash-bb.com/splashmain/ (千葉県千葉市) 営業時間 9 00~17 00 定休日 利用料金 細かく設定されているため、ホームページで要確認
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11分の1引いたら妥協しかできない砲 / 1-11th Compromise Cannon テト譜 TST1のセットアップ率66.67% TST2のセットアップ率75.00% TST3のセットアップ率91.59% TST2を最優先する場合、TST1は使う必要がない TST3を最優先する場合、TST1,2は使う必要がない 確定妥協TSTを最優先する場合、TST1,2,3は使う必要がない 1巡目の組み方 8段最少パフェパターン TST1 TST2 TST3 確定妥協TST このテンプレのポイント I土台 片側セットアップ率50.00% 左右反転込みセットアップ率60.00% 180度回転のあるゲームなら必ずTST2が積める 下穴に強い 如月積みと同じ形から、22.10%の確率でTSS→テトリスパフェが取れる このテンプレの弱み 8.41%の確率で妥協しないといけないしかし3巡目確定TSSから良形で6-3積み派生ができる 派生一覧 TST1→14段 TST2→メカニカルTSD派生 確定妥協TST→7巡目まで確定派生 確定妥協TST→3巡目確定TSS→6-3積み派生 テンプレ概要 このテンプレは山岳積み4号と上げられたこともありましたが、既出のため取り下げられました 類似関係 その他
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補助系(行動回数増加・ステータス上昇・下降、状態異常付与、解析など)のセットアップ特技をまとめたページです 目次行動変化系 ステータス上昇系 ステータス下降系 状態異常関係 フィールド変化系 その他 目次 ※略称について 『テンション消費→T●(●は消費するテンションの数字)』、『キャパシティ→CP』 「所持者」は初登場時に持っていたキャラを指す。 「○/T」…1ターンに○回分まで発動、「○/戦」…1戦闘中で○回まで発動可能。「○/冒」…冒険中に○回まで発動可能 ※奥義について→いわゆる必殺技です 一回の戦闘を通して、一度しか使用出来ません ※合体技について→使用する時、双方のメインプロセス、またはセットアッププロセスを消費します。 また、MPは双方のMPを消費します 「※」付きの物は、最新エラッタ以前のものです 行動変化系 行動回数増加系 特技名 消費MP・テンション 対象 回数制限 【系統/属性】 【CP】 効果説明文 所持者 血の伯爵婦人 MP3+T1 使用者自身 1/戦 【/】 【*】 このターンのメインプロセスに【呪文】を使用した際、更に「設置」を使用出来る ルサルカ ハウリング※ MP10+T2 使用者自身 【歌/なし】 【1】 このターンのメインプロセスに【歌】を使用する場合、更に【歌】を使用出来る モモメノ 行動順変更系 クイックソング T1+MP2 使用者自身 1/戦 【体技/なし】 【2】 自身の習得してる【歌】特技を使用する。このスキルを使用した場合、自身はメインプロセスを行なえない 結 クイックステップ T1+MP2 使用者自身 1/戦 【体技/なし】 【2】 自身の習得してる【踊り】特技を使用する。このスキルを使用した場合、自身はメインプロセスを行なえない カルピス ステータス上昇系 ステータス上昇系 特技名 消費MP・テンション 対象 回数制限 【系統/属性】 【CP】 効果説明文 所持者 こうげき上昇系 マッスルベアー 消費なし 使用者自身 【体技/強化】 【1】 自身のこうげきを上昇させる ロワーガ バイキルト MP1 味方単体 【呪文/強化】 【1】 味方単体のこうげきを「2」上昇させる メロンパンナちゃん ムーンライトブースト MP1 使用者自身 【体技/強化】 【2】 自身のこうげきを「2」上昇させる。「幻月」が展開されている場合、こうげきとぼうぎょが「2」上昇する 月火 パワフルチャージ MP1 使用者自身 【体技/強化】 【1】 自身のこうげきを2上昇させるテンションを取得する ベジータ ぼうぎょ上昇系 ビートルスキン 消費なし 使用者自身 【体技/強化】 【1】 自身のぼうぎょを上昇させる ブラックビートル スカラ MP1 味方単体 【呪文/強化】 【1】 味方単体のぼうぎょを2上昇させる ロリン すばやさ上昇系 ガゼルフット 消費なし 使用者自身 【体技/強化】 【1】 自身のすばやさを上昇させる 水饅頭 ピオラ MP1 味方単体 【呪文/強化】 【1】 味方単体のすばやさを2上昇させる ロリン まりょく上昇系 インテ MP1 味方単体 【呪文/強化】 【1】 味方単体のまりょくを2上昇させる あかだ ムーンライトチャージ MP1 使用者自身 【体技/強化】 【2】 自身のまりょくを「2」上昇させる。「幻月」が展開されている場合、まりょくとせいしんが「2」上昇する うさぎ せいしん上昇系 ハート※ MP4 味方単体 【呪文/補助】 【1】 味方単体のせいしんを2上昇させる 執事 能力上昇+属性・追加効果付与系 ヴェノムセイバー※ MP10 味方単体 【呪文/補助】 【1】 味方単体のこうげきを上昇させ、物理攻撃に「低確率で『毒』状態にする効果を追加する マシュ ブライトセイバー MP2 味方単体 【体技/強化・閃光】 【1】 味方単体のせいしんを「2」上昇させ、物理攻撃の属性に【閃光】を追加する リクーム ダークセイバー※ MP2 味方単体 【呪文/強化・暗黒】 【1】 味方単体のまりょくを「2」上昇させ、物理攻撃の属性に【暗黒】を付与する うさぎ 耐性強化 ブライトシールド※ MP2 味方単体 【体技/強化・閃光】 【1】 味方単体のせいしんを「2」、闇耐性を「5」上昇させる 光天使シールド 使用ターン限定強化 ごーごーサンバ MP3 味方全体 【歌/強化】 【1】 このターンの間、味方全体のこうげき、まりょくを「3」上昇させる。この特技を使用した時、自身はメインプロセスを行なえない。 イエロー こもれびコンチェルト MP3 味方全体 【歌/強化】 【1】 このターンの間、味方全体のぼうぎょ、せいしんを「3」上昇させる。この特技を使用した時、自身はメインプロセスを行なえない。 イエロー ササッとポルカ MP3 味方全体 【歌/強化】 【3】 このターンの間、味方全体の「任意の能力」とすばやさを「3」上昇させる。この特技を使用した時、自身はメインプロセスを行なえない。 結 グレイズダンス MP3 味方全体 【踊り/強化】 【3】 このターンの間、味方全体の「任意の能力」を「3」上昇させ、回避率を上昇させるこの特技を使用した時、自身はメインプロセスを行なえない。 響 テンション取得系 おうえん MP1 自PT 【体技/補助】 【1】 テンションを「1」取得する カルピス その他上昇系 フェアリーチアー MP1 味方単体 【体技/強化】 【1】 味方単体の能力を一つ選択し、上昇させる ウェザリー ランダマイザ※ MP4 自身or味方全体 【体技/強化】 【1】 以下の効果からランダムで決定される。1、自身の全能力が上昇する。2.味方全体の能力が上昇する。3.自身の全能力が低下する。4.味方全体の全能力が低下する。 アルト 合体技 女王と執事の華麗な献身 MP3+T3 味方全体 「奥義」「合体技(執事血統+リクーム血統)」【呪文/補助】 【*】 味方全体の全能力を2上昇させる 執事 ステータス下降系 ステータス下降系 特技名 消費MP・テンション 対象 回数制限 【系統/属性】 【CP】 効果説明文 所持者 こうげき下降系 ダウン※ MP4 敵単体 【呪文/妨害】 【1】 敵単体のこうげきを2下降させる ブラックサンダー ぼうぎょ下降系 ルカニ※ MP1 敵単体 【呪文/弱体】 【1】 敵単体のぼうぎょを「2」下降させる 光天使ソード すばやさ下降系 ボミエ MP1 敵単体 【呪文/弱体】 【1】 敵単体のすばやさを「2」下降させる ルサルカ ボミオス MP3 敵全体 【呪文/弱体】 【2】 敵全体のすばやさを「2」下降させる ルサルカ テンション破棄系 タメステ MP2 相手PT 【呪文/妨害】 【1】 敵PTのテンションを「1」破棄させる チェインバー 状態異常関係 状態異常関係 特技名 消費MP・テンション 対象 回数制限 【系統/属性】 【CP】 効果説明文 所持者 異常付与 マヌーサ MP2 敵単体 【呪文/妨害】 【1】 敵単体を中確率で「幻惑」にする アルフォート ラリホー※ MP4 敵単体 【呪文/妨害】 【1】 敵単体を中確率で「眠り」にする アルフォート メダパニ MP2 敵単体 【呪文/妨害】 【1】 敵単体を中確率で「混乱」にする ルナトーン ザキ※ MP3 敵単体 【呪文/なし】 【1】 敵単体に即死カウンターを「1」載せる トンベリ 状態異常効果補助系 モアーヴェノムⅠ MP1 敵全体 【体技/妨害】 【1】 敵全体の「毒」「猛毒」を1ターン継続させる マシュ フィールド変化系 フィールド変化 特技名 消費MP・テンション 対象 回数制限 【系統/属性】 【CP】 効果説明文 所持者 「幻月」展開系 げっこうの歌 MP1 フィールド全体 【歌/なし】 【1】 「幻月」を展開する カグヤ 月光拳 MP1 フィールド全体 【体技/なし】 【1】 「幻月」を展開する 月火 ミラージュルナ T1 フィールド全体 【体技/なし】 【1】 「幻月」を展開する 幻月 「太陽」展開系 たいようの舞 MP1 フィールド全体 【踊り/なし】 【1】 「太陽」を展開する 響 その他 その他 特技名 消費MP・テンション 対象 回数制限 【系統/属性】 【CP】 効果説明文 所持者 解析系 ダモーレ MP2 敵単体 【呪文/解析】 【1】 敵単体の「ステータス/特技/種族スキル/PS/AS/耐性」のうち一つを解析する ウェザリー 基礎ステータス変化 モードチェンジ T2 使用者自身 【体技/なし】 【*】 モードチェンジを使用する事で、モード:(該当PS)へ変身することができる。モード:(該当PS)から基本形態に戻るには、もう一度モードチェンジを使用すること もなか 奥義 痛覚共有 MP全+T3 使用者自身+指定した敵単体 「奥義」 【体技/妨害】 【*】 敵単体を指定する。このターン自身が受けたダメージを対象にも与える。また、対象が受けたダメージを自身も受ける 鹿の子
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場所:新宿区新宿1-12-1 サンサーラ第三御苑101 営業:[月~金]11 30~21 00(スープ切れ終了) [土]11:30~17:00 日・祝休 値段:ふつう 店内:狭い 煙草:禁煙 カード:不可 長時間滞在:できない 予約:できない 最寄の劇場等:シアターサンモール →食べログはこちら 新宿御苑駅からシアターサンモールまでの短い距離の中に位置するラーメン屋 (一つ角曲がるけど) 塩ラーメンがやさしい味でおいしい 観劇前の夕方の時間帯はそれほど混んでいない 変な葉っぱが乗ってるけど気にスンナ!
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【武装名】 GNフィールド 【読み方】 じーえぬふぃーるど 【保有MS】 太陽炉搭載機GNZ-005 ガラッゾGNX-803T ジンクスⅣ 【詳細】 GNドライヴから放出されるGN粒子を機体の周辺に展開し形成するバリアフィールド。 実弾・ビーム兵器はもちろん格闘武器さえもすべてを完全にシャットアウトする鉄壁な防御力を誇るが、大量のGN粒子を使用する上制御が困難という欠点を持つ。 また粒子の圧縮率によって防御力が変動するため圧縮率を読まれるとビーム攻撃がすり抜けてしまうため、戦闘においては慎重な操作が求められる。 膨大なGN粒子を使用するため、当初粒子生産量に限界のあるGNドライヴ[T]搭載機ではGNシールドに小型のフィールドを形成することしかできなかった。 だが後にイノベイドの手によって開発されたMSはその問題点を克服し全周囲へのGNフィールド展開が可能となりGNZ-005 ガラッゾ等に搭載されたほか、 それらの解析が進んだ結果、後の量産機・GNX-803T ジンクスⅣでは機体全周へのフィールド形成が可能となっている。
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元スレURL しずく「おしっこが我慢できないです……」 概要 お漏らし癖を何とかしたいしずくに協力を仰がれ 璃奈が開発したのはお仕置き機能付きのチョーカー 果たして排泄トレーニングの行方は…? 前作:しずく「おしっこ我慢気持ちいいです♡」 タグ ^桜坂しずく ^天王寺璃奈 ^演劇部部長 ^エロ ^コメディ ^しずりな 名前 コメント
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スレタイに入れたりなどで明示する、惨劇の舞台の一覧です 屋外 街 村 屋内 研究所 病院 警察署 屋外 街 そのまま、街です 普段、人々が生活をしている場所です 平穏な日々から一転、阿鼻叫喚の世界になったとき、人々はどうするのでしょう…… 村 のどかな村です 山奥にあるため、外との繋がりは薄いです 土着信仰などがあったり、風習によって想像だにしない施設があったりも……? 屋内 研究所 怪しげな研究所です この施設はあらゆる屋外、屋内フィールドで見つかることでしょう また、もしかしたらここが舞台となることも……? 病院 怪我をしたり病気を患った人がお世話になる施設です 見舞いに来る人もいれば、患者もいるでしょうし、医療関係者もいるでしょう でも、そこは清く正しい病院なのか、それともきな臭い病院なのか…… 警察署 街を守るお巡りさんの職場です 警察関係者、助けを求めたり手続きに来たりと一般人も多いことでしょう もしかしたら、護送前の囚人や事件の容疑者なんかもいるかも? あと、噂では署長室がきな臭いとか。警察関係者が必ずしも正義というわけではないかもしれません……